シンバイオ製薬が販売する抗癌剤「トレアキシン」(一般名:ベンダムスチン)が当初計画を上回るスピードで市場に浸透し、昨年12月に適応追加した「未治療低悪性度非ホジキンリンパ腫/マントル細胞リンパ腫」(NHL/MCL)では、今年度目標としていた市場シェア35%以上を中間期時点で達成した。吉田正紀社長は、3日に開催した決算説明会で、「今年にシェア50%を達成したい」と述べ、2018年には薬価ベースで売上100億円の到達が「視野に入った」と見通した。さらに再発・難治性中高悪性度NHL(r/rDLBCL)の第III相試験も準備中で、19年度申請を目指し、売上200億円まで引き上げたい考えだ。
トレアキシンは、シンバイオが開発し、エーザイに販売委託している抗癌剤。17年中間期には薬価ベースで前年同期比約43%増の33億3000万円となった。売上増加分は適応追加した未治療低悪性度NHL/MCLによるもの。月次では前年同月比で160%台の進捗で、12月には180~190%に達する見込み。吉田氏は、「トレアキシンの売上は極めて順調。野球で言えば、ピッチャーの球を打ち返したときに芯を捉え、その弾道も今後の推移を考えると非常に良さそう」との見方を示した。