学校環境衛生基準に反映へ
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物質安全対策室は、室内空気中化学物質の指針値案をまとめた。指針値の設定は、住宅の高気密化などに伴い、建材などから発生する化学物質などが原因で、目や気道に刺激を感じるといった健康影響が指摘される「シックハウス症候群」に対応するためのもの。今回は、テキサノールなど3物質について、新たに指針値を設定したほか、既に指針値が設定されているエチルベンゼンやキシレンなど4物質について、現行の数値から引き下げる。既に意見募集を終えており、寄せられた意見を踏まえ指針値の策定を進める。学生が1日の大半を過ごす教室においてもシックハウス対策は重視されており、文部科学省が策定作業を進めている「学校環境衛生基準」の改訂版に反映される予定だ。
目やのどの痛み、全身の倦怠感、めまい、頭痛など、様々な症状を引き起こすシックハウス症候群。厚労省では、こうした「シックハウス問題」に対応するため、2002年までに、鼻咽頭粘膜への刺激が指摘される「ホルムアルデヒド」や神経行動機能・生殖発生への影響が指摘される「トルエン」など13種類の化学物質について「室内濃度指針値」の設定を行っている。
【お詫びと訂正】
記事初出時、見出しに「4物質は緩和」とあったのは、「4物質は強化」の誤りでした。お詫びして訂正します。
【おことわり】
本記事は、まだ検討中のもので決定したものではありませんでした。今後、募集を終了したパブリックコメントを踏まえ再度検討し、厚労省検討会で決定する予定です。(2017年9月1日)