社会健康薬学で予防に注力
山陽小野田市立山口東京理科大学は、来年4月に定員120人の6年制薬学部薬学科を開設する。8月に文部科学省から設置認可を受け、山口県初の薬学部が正式に誕生することになった。公立大の薬学部として、最大の目標は地域への貢献。病気を予防する「社会健康薬学」を薬学教育の特色の一つに打ち出し、充実した統計教育を重要な科目と位置づける。完成年度を迎えた後は大学院を設置し、薬剤師の生涯教育を通じて学位取得も支援していく計画だ。薬学部設置準備室の武田健室長は、本紙のインタビューに応じ、「地元の熱い期待に応えられるよう質の高い薬剤師を輩出し、モデルになる薬学部を作らなければならない」と話している。
市立山口東京理科大は、1987年に設置された東京理科大学山口短期大学を前身とし、95年に4年制に改組。2014年に組織改革を進める同大学と薬学部設置を目指す山陽小野田市が公立大学法人化に合意した。公立化をきっかけに薬学部設置構想が浮上。政府が後押しする地方創生の政策も背景に、山口県初の薬学部設置にこぎ着けた。