田辺三菱製薬は、炎症性腸疾患領域で核酸医薬品を開発する国内企業「ステリック再生医科学研究所」を買収する。買収完了時に契約一時金として35億円、米国での開発の進捗に応じ、最大で84億円を追加で支払う可能性がある。必要な手続きを経た後、17年度中に買収を完了する予定。中枢神経系疾患領域と自己免疫疾患領域を戦略領域とする米国事業の強化が狙い。中枢神経系では、米ニューロダーム買収によるパーキンソン病治療薬獲得や、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」の発売など一定のメドをつけているが、今回の買収によりステリックが開発する自己免疫疾患薬を手中にし、米国でのパイプライン拡充を図る。
ステリックは東京都港区に本社を置き、2004年11月に設立。腸疾患関連の開発パイプラインとして、糖硫酸転移酵素15(CHST15)阻害SiRNAの二本鎖RNA製剤「STNM01」を保有する。ステリックでは「腸疾患関連事業」と「その他事業」の分割を予定しており、今回の案件では、分割後の腸疾患関連事業が対象となる。