武田薬品は、ベルギーのティージェニクスと共同開発中のクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔治療薬「Cx601」について、欧州医薬品評価委員会から承認推奨の見解が示されたと発表した。同種異系脂肪由来幹細胞懸濁剤として承認推奨の見解が示されたのは欧州で初めてという。今後数カ月で承認可否の結論が出る見込みだ。
同剤は、ティージェニクスが脂肪由来幹細胞基盤技術を用いて開発した薬剤候補。適応とする肛囲複雑瘻孔は、クローン病と診断されてから20年以内に患者の28%で発症すると推定されており、痛みや腫脹、感染、失禁が見られる疾患。「Cx601」は、非活動期/軽度活動期の成人クローン病患者に伴う既存治療・生物学的製剤による治療を少なくとも1回以上実施したにもかかわらず、効果不十分な肛囲複雑瘻孔への適応が期待され、欧州に申請していた。