武田薬品は、1月に買収を発表したベルギーのティージェニクスと共同開発中のクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔治療薬「アロフィセル」(一般名:ダルバドストロセル、開発コード:Cx601)について、欧州EMAから非活動期/軽度のクローン病治療薬として承認を取得したと発表した。同社にとっては細胞治療薬の事業化第1号で、今後数カ月間で販売する予定。同種異系脂肪由来幹細胞懸濁剤が欧州で承認されるのも初になる。
今回、承認を取得した適応症は、「非活動期/軽度活動期の成人クローン病患者で、既存治療・生物学的製剤による治療を少なくとも1回以上実施したにもかかわらず効果不十分な肛囲複雑瘻孔」。既存治療が奏効せず、多数の侵襲的手術が必要な患者に新たな治療選択肢を提供する。既に欧州EMAの欧州医薬品評価委員会と科学委員会が承認に対する肯定的見解を示しており、それに基づき承認された。武田が設立予定のアイルランドのダブリンにある再生医療製品工場でも、稼働後にはアロフィセルの生産を行う。