国立がん研究センターとシスメックスは10月28日、癌の診断薬開発に向けた包括的な連携契約を結んだ。がん研究センターが発見した新規のバイオマーカーを、シスメックスが日本発の体外診断用医薬品として産業化する。第1弾として、骨肉腫の術前に化学療法が効くかどうか予測するバイオマーカーの共同研究を手がけ、5年後をメドに個別化医療の実現を目指す。
今回の連携では、がん研究センターで発見されたバイオマーカーを、臨床検査メーカー最大手のシスメックスのノウハウを生かし、新たな日本発の体外診断薬として事業化を目指す。既に両者は、癌の病態判定や副作用予測のDNAチップの共同開発等で連携を行ってきたが、癌の分子標的治療薬と同時開発するコンパニオン診断薬の開発等を迅速に進めるためには、さらに包括的な提携が必要と判断した。