国立がん研究センターと希少癌患者の支援などを行う日本希少がん患者会ネットワークは23日、希少癌を対象とした新薬開発を産学共同で進める世界初のプロジェクト「MASTER KEY」に関する連携協定を締結した。プロジェクトの進捗や研究に関する情報交換などを行うことで、希少癌患者にプロジェクトの情報を正しく提供し、研究に対する協力につなげて研究の全国展開を加速化させたい考えだ。
MASTER KEYは、昨年5月に国立がん研究センター中央病院と製薬企業11社がスタートさせた産学共同プロジェクト。国内において製薬企業が着手に消極的な希少癌の新薬開発を促すため、16歳以上の固形希少癌患者を登録し、遺伝子情報や診察情報、予後データを把握するデータベース作りのためのレジストリ研究を実施している。レジストリに登録された患者の遺伝子情報などに基づき、特定のバイオマーカーごとに分子標的薬を投与する医師主導治験、企業治験を行って治療薬開発につなげる取り組みを進めており、現時点で270例以上がレジストリに登録されている。