2月23日(土)、24日(日)に第104回薬剤師国家試験(国試)が実施され、合格基準が完全に相対基準になり、初めて禁忌肢が導入された国試となりました。禁忌肢は、医療人としての高い倫理観と使命感を持った薬剤師であるかを判断するための選択肢ですが、実務実習を含む薬学教育の中で培われているものですので、しっかり問題を読んで、選択すれば大丈夫です。これから第105回国試に向けて勉強を始める方は、まず近年の国試の傾向や流れを確認して、効率の良い学修を心がけましょう。基礎的な内容をちゃんと理解したうえで、応用力をつけることで、相対基準になった合格基準もクリアできるはずです。
今号では、薬学ゼミナールのベテラン講師から、第105回国試に向けて学修をスタートさせる皆さんに時間の有効な使い方をお伝えしたいと思います。
国試勉強のQ&A
まずは、国試の勉強をしている学生さんから良く受ける質問とアドバイスです。
Q どの科目から勉強したらいいの?
A まずは時間のかかる基礎科目や計算から始めましょう。また、生物から薬理、薬理から実務というように少しずつ知識をつなげることが大切です。
Q 卒業試験と国試の勉強は一緒でいいの?
A 別々に勉強するのは効率が悪いです。答えを覚えるのではなく、内容を理解する勉強をしていれば、どちらにも対応できるはずです。
Q 青本と問題演習、どっちから始めたらいいの?
A 既出問題を解いてみて、ある程度解けるようなら問題演習をしながら、理解できていない範囲は青本に戻りましょう。問題が解けない場合は、まずは青本の理解から始めましょう。
また、よく青本を読むという学生がいますが、読んでいるだけでは問題は解けません。
「暗記→白紙に同じ内容が書ける」「理解→友達に説明できる」を意識しましょう。
Q 授業と卒業研究で勉強時間がないけど、どうしたらいい?
A 授業に、卒業研究に、就職活動。毎日忙しいですよね。そんな時は、自分の1日の過ごし方を書き出してみましょう。意外と「すきま時間」があることに気付きますよ!朝や通学時間は集中して暗記。お昼は友達と問題を出し合う。というように「すきま時間」を使い分けると効果的です。
すきま時間の使用例:オンライン
電車通学中など「すきま時間」を有効に活用したい方は、webで国試対策ができる「薬ゼミオンライン教室」がオススメです。
オンライン教室では、毎日5~10問の5択問題が配信される「毎日必須問題テスト」、青本のweblinkと連動するポイント講義動画の「ユニット学習」、国試既出問題の解説が見られる「国試解説動画」など、多数のコンテンツをそろえています。
上記のコンテンツは、登録無料の「お試しライセンス」でも一部視聴することができますので、まずは無料お試しライセンスをご利用ください。
また、有料ライセンスでは、すべての「ユニット動画」「国試解説動画」に加えて、最新版の青本に沿った講義が見られる「青本動画」があります。1本30~60分の講義が約500時間分収録されていますので、基礎からしっかり勉強をして確実に合格ラインを突破したい方にオススメです。
学修ツールの例示:領域別既出問題集
薬学ゼミナールでは、国試の勉強の入り口として領域別既出問題集をお薦めしています。勉強を始めたばかりの段階では、参考書を読んでも「どこが大事なのか」「何を覚えたらよいのか」などが上手く分からないことがあります。これが特に苦手な科目であれば尚更です。しかし、この問題集は既出問題の解説だけでなく、範囲ごとの要点のまとめなども付いているため、手が付けやすいです。また、参考書に比べてサイズが小さいので持ち歩きもしやすく、通学中の電車など少ない時間でもコツコツと始めることができます。
●領域別既出問題集の特徴
[1]範囲ごとに問題が区切られている
[2]問題の前に該当範囲の要点のまとめがある
[3]掲載問題は7年分+関連既出問題
もちろん、じっくり机に向かう時間が取れる場合には青本などの参考書とともに知識を深めてもらいたいですが、早い段階で国試の形式や出題傾向、頻出範囲を知ることで、勉強も進めやすく、学修のメリハリも付くでしょう。