キャリア・ポジション代表取締役
西鶴 智香
Q
薬学部4年生です。自分の学歴に自信がありません。高学歴の人に会うと、劣等感で「どうせ自分の考えは間違っているに違いない」と意見を言えなくなります。今後、実務実習や就職活動で他大学の学生と交流する場面があると思いますが、不安しかありません。
A
私はこのような相談を薬学生から何度も受けたことがあります。それくらい、同じように不安に思っている学生さんはいるのですよ。われわれ社会人は既に知っていますが、世の中では学歴と人生の幸せは比例しないので、安心して下さいね。
さて、自分の学歴への劣等感はなぜ湧きおこるのか、考えてみませんか。人が他者に抱く印象は真実でしょうか。例えば、顔の表情を見て厳しそうだとか、優しそうだとか。体格を見て神経質そうだとか、おっとりしてそうだとか。出身地を聞いて人懐っこいとか、人見知りだとか。職業を聞いて、例えば銀行員だと真面目そう、ITエンジニアだと理屈っぽいとか。社長と聞けばワンマン、お金持ち、協調性がないとか？！いやいや、決して全員がそうであるはずはないですよね。
学歴が高かったら性格が良くて好かれる人なのでしょうか？高学歴だから仕事ができる人なのでしょうか？逆に、学歴が低い人は性格が悪くて人から嫌われる？決してそんなことはありませんね。
人は、職業や学歴、性別、年齢等を知ることで、他者に対し偏った見方をしがちです。「バイアス」がかかると言います。自分が人を見る時、そのバイアスに気づくことが大切です。
今回、高学歴の人の前では自分の考えは間違っていると感じるとのことですが、高学歴の人の考えがいつもすべて正しいわけではない。そうでしょ？このことに気づいてもらいたいです。自分の意見を堂々と述べましょう。同時に、相手の意見をしっかり聴き受け容れることを忘れずに。
ついでに一言。薬学部は6年制なので、高い学費がかかります。家庭の事情や希望で、実力より難易度を下げた大学選択をした方も多くいることでしょう。やはり学歴は、その人のすべてを表すものではないといえます。気にするだけ時間のムダです。素敵な自分になれるように、今日も明日も自分を磨きましょう！
