【保険薬局編】薬局数は増加、チェーンは再編へ

2014年1月1日 (水)

薬学生新聞


 厚労省の直近の発表「2012年度の衛生行政報告例の概況」によると、全国の薬局数は5万5797店舗。11年度末時点で5万4780店舗と1000店舗ほど増加、その前年度も1800店舗近く増加しており、ここにきて店舗数が再び増加の兆しだ。店舗数増加が続く要因は分業率の伸びがある。全国的には平均60%半ばを超え、そろそろ「70%分業」が視野に入り、伸びそのものは鈍化しているともいえる。ただ、80%を超えている地区がある一方で30~40%台という地区もあり、次第に平準化に向けて伸びているため、分業率が低い地域を中心に新たな薬局が進出している状況といえる。

 その一方で、寡占状態になっている地域では、長期処方の増加、患者1人当たりの来局回数が減り、その分、薬局収入が減少、伸び悩む状況もあり、後発医薬品のストックなどの経済的要因も重なり、体力がない薬局から脱落していくとの見方もある。

 個店や3~4店舗など小規模薬局では小回りが利くが、厚労省がいうチェーン薬局の“基準”である20店舗前後の薬局チェーンが大手に比べ非効率なため、M&Aの対象となっている。単に大手の傘下に入るというだけでなく金融系、他の流通系、医薬品卸系など多様な業種も入り交じりながら、その様相は大きく変容するものと見られる。

 さて、2年に一度行われる診療・調剤報酬改定(2014年度改定)に向けて、薬局への風当たりが強まっている。値上げを求める医療側に対し、健康保険組合等の支払側は財政悪化が続く中で「適正化」を、財務省は医療費の引き下げを狙っている。全体として薬局に対する視線は厳しさを増している。

 「薬局・薬剤師業務がその報酬と見合っているのか」「本当に医療に役立っているのか」といった、業務そのものに対する疑問の声も少なくない。

 一方、医療費削減という観点からも未病、つまり健康なうちに、薬局が市民と関わり、病気にならない環境を整えようという先駆的な取り組みの必要性も指摘される。また、在宅医療推進の一翼を担うことも期待されている。その変化の兆しを横目で見ながら、薬剤師として、目の前の患者に本当に役立つことを着実に実施していくことが、将来の薬剤師を生かす道といえる。他職種からの要求に耐え得るキャリアアップが生涯を通じて望まれる。



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