【日本CRO協会】CROで薬学出身者が活躍‐「ありがとう」の言葉がやりがい

2014年5月1日 (木)

薬学生新聞


国際治験の動向にも注視

 ――周囲に意見を聞いて、業務に生かしていくことはありますか。

 吉田 自分の考えだけだと偏ってしまう面もあります。雑談に近いですが、モニター同士で意見交換しています。いろんな視点で物事をみる“気づき”にもなりますし、医師に説明する際の論理構築につながってきます。漠然としていた自分の考えが固まり、人に説明する練習にもなり、それが他の人に理解してもらえると自信にもなります。また、親しくなった医師には、治験の進め方について直接アドバイスをいただくこともあります。

 小野 上司に相談するように心がけています。自信のない答えで施設の方を不安がらせてもいけないので、「私はこのように思うのですが、念のために確認させてください」とお伝えし、自分の意見が間違っていないかを上司に確認した上で、施設の人にお伝えするように心がけています。

 また、他の施設で上がってきた質問は常にキャッチするようにし、自分が担当する施設で医師から質問されたときには答えられるようにしています。

 ――治験業務に必要な知識はどう蓄えていますか。

 吉田 学会への参加や会社内での研修などです。国際共同治験に携わっているので、臨床試験の動向については情報を収集するようにしています。グローバルと日本では、臨床試験の進め方が異なるところがあります。グローバル試験に参加している国内の臨床試験も、そのやり方に従う必要があるため、医師に理解してもらえるよう説明をしなければなりません。

 小野 私が担当している試験もグローバル試験で、グローバルと日本とのギャップに戸惑うことが多々あります。
医師に経緯を説明し、CRCの方にもご協力を仰がないといけませんから。

 ――休みの日の過ごし方を教えて下さい。

 小野 休みの日は、ジムに通っています。5キロくらい走って、プールで泳ぐこともあります。そして、昼から飲みに行く(笑)。会社の先輩方とは、旅行に行ったり、食事に行ったりしています。

 吉田 ずっと続けていることではないのですが、ホットヨガをやっています。身体を動かすことで気分転換になりますね。あとは、買い物に行ったりします。モニターは、体力勝負の部分がありますから。

 小野 私もそう思います。

 ――今後の目標を教えて下さい。

 吉田 グローバルと日本の医薬品開発の進め方に差異がありますので、もしリーダーになることがあれば、日本での医薬品開発をスムーズに進められるよう、自分で海外の開発担当者と交渉できるようになればいいなと思います。

 治験の憲法ともいうべき日本の「J‐GCP」と、グローバルの「ICH‐GCP」をより理解し、英語力を向上させグローバルでの交渉力を身につけたいと思います。日本が置いていかれないように、貢献できるようになっていきたいです。

 小野 上司から言われた指示を、がむしゃらにやってきた2年間でした。原点に戻って、なぜこの内容を説明しないといけないのか、治験を実施する背景を理解し、何が重要であるかを考えられるようになりたい。5~6年目を迎えたときには、後輩を指導できるようになりたいです。

 ただ、私は英語ですごく苦労しています。報告書の作成が全て英語になってますし、治験で使う英語は日常使うものとは違うもので難解です。しっかり身につけておきたいと思います。

実力により多様なキャリア可能

 ――モニター業務では「英語」が重要になっているわけですね。

 吉田 私は高校・大学と英語が好きだったので、特に拒否反応はありません。ただ、治験の実情を説明し、海外の担当者と交渉するのは、日本語でも難しいものがあります。こうした英語スキルを身につけるのは大変ですね。

 英語は、日常的に使っています。メールでのやり取りについては、単語の省略やニュアンス、言葉のトーンなど微妙な感覚があり、なかなか理解し難いところもあります。

 小野 学生時代から英語が苦手でした。今、英語が仕事上必要とされて、自己学習と業務の繰り返しで頭がいっぱいです。通常の英文作成でも大変なのですが、治験で使われる用語は専門的です。そこで、いったん日本語で文章をつくり、英語に翻訳するのですが、日本語自体が間違っていると、きちんとした英文をつくることもできません。

 吉田 ただ一つ言えるのは、治験用語は一般の英語と違うため、英語が苦手な人でもスタートにさほど差はないかと思います。英語の勉強に関しては王道がないので、ひたすら勉強と慣れだと思います。

 治験実施計画書(プロトコル)に書いてある英語は、その試験に最適な英語といえますし、ICH‐GCPに記載されている英語も治験に適した英語なので、まずはその二つをよく読むことではないでしょうか。「分からなければ真似する」のが、上達の早道です。

 小野 吉田さんの言うとおりだと思います。私もプロトコルから、用語を引っ張って学習しています。

 吉田 私のチームにも英語が苦手な人がいますが、チームで支え合いながら仕事を進められているので、英語が苦手な方でも大丈夫だと思います。

 ――薬学生に送るメッセージ。

 小野 学生時代は薬剤知識だけでなく、疾患知識もしっかり勉強していくことが大事です。仕事というのは日常のライフサイクルなので、遊ぶときは遊ぶ。コミュニケーションの場を広げるのが必要だと思います。

 吉田 小野さんが言うように、学生のうちに、よく遊んでいろんな経験を積んでいただきたいです。社会に出てから人と接する際のヒントを得ることができると思います。

 新薬開発に携われるのは素晴らしいことですし、自分で仕事をどう進めていくかを考えていける分、成長できる業種だと思いますので、ぜひトライしてもらえればと思います。

 実力があれば相応のキャリアも用意されています。モニター、データマネジメントやプロトコル作成など、他のキャリアに挑戦することも可能です。

 小野 女性も活躍できる業界です。産休・育休制度や時短勤務制度を使うことができます。家庭と仕事のバランスの中で最適な働き方ができる職種ですので、ぜひ一緒に頑張りましょう。


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