アッヴィ日本法人の出口恭子社長は4日に会見し、これまで抗TNF‐α抗体「ヒュミラ」と抗RSウイルス抗体「シナジス」の適応拡大を原動力として成長してきた国内戦略について、「向こう5年、7年は新たな領域に大きくポートフォリオを広げていく」との認識を示した。C型肝炎と自己免疫疾患を中核領域、癌・腎疾患・中枢神経系疾患を強化領域に位置づけ、両領域に開発費の7割以上を集中投下する方針で、C型肝炎とパーキンソン病の開発プロジェクトが順調に進行していることから、2020年度に1000億円としていた売上高目標を「数年単位で前倒しできると確実に言える」と語った。
米アッヴィは年間販売額が世界の全医薬品中トップの1兆円を誇るヒュミラを柱に、グローバル売上高約2兆円で世界12位につけているが、国内では37位にとどまる。ただ、対前年伸び率は約12%と市場平均3%の約4倍と高く、出口氏は「二桁成長は他に3社のみ。アッヴィはこれからも非常に早いスピードで成長を遂げる」と自信を示した。