薬局薬剤師による臨床研究を促進することの重要性が6月28、29日の2日間、都内で開かれた医療薬学フォーラム2014/第22回クリニカルファーマシーシンポジウムで強調された。海外では、薬局薬剤師のかかわりによる医療の質の向上、医療費削減の効果が数値で示され、報酬に反映されている。国内でも、薬局薬剤師と薬系大学などが連携を深めて臨床研究を実施し、業務の有用性をエビデンスとして明示する必要があるとされた。
亀井美和子氏(日本大学薬学部教授)は、米国での様々な先行事例を紹介した。
その一つは、ノースカロライナ州の地域の薬剤師が企画したアッシュビルプロジェクト。1997年から始まった。通常の服薬指導とは別に薬剤師が患者に面談し、カウンセリングをべースに積極的な薬物治療管理を行う。このかかわりによって、糖尿病の治療指標の一つであるHbA1c値は1年間で有意に低下した。また、薬剤費は増えたが、入院や緊急受診回数が減った結果、総医療費は減少した。糖尿病を皮切りにその対象は気管支喘息、高血圧、脂質代謝異常症、うつ病にも拡大。このビジネスモデルが全米に広がった。