大日本住友製薬の多田正世社長は7日、記者会見で、結腸直腸癌を対象に、世界初の癌幹細胞標的薬「BBI608」の単剤療法を検討した国際共同第III相試験「CO23」で新規患者登録を中止したことについて、「開発に大きな影響を与えるものではない」との認識を示した。単剤療法の開発方向性については、主要評価項目の全生存期間(OS)での解析結果を待った上で判断する方針だが、「むしろ今回の結果で安全性は確保されたと考えている。併用療法の強みを追求していける」と述べ、今後も開発を推し進める姿勢を強調した。
CO23試験は、化学療法による治療が耐性化し、標準療法がない進行・切除不能患者を対象に、「BBI608」単剤の有効性・安全性を評価するランダム化二重盲検プラセボ対照試験。97例の登録患者を対象とした第1回中間解析結果では、安全性の問題は認められなかったものの、腫瘍縮小効果を評価する有効性項目のDCR判断基準を達成できなかった。これを受け、同社は5月に中間解析データで承認申請することを断念した。