東京大学先端科学技術研究センターと富士通、興和は、京などのスーパーコンピュータを使って、仮想的に設計・評価するIT創薬により、癌の原因となる蛋白質の働きを抑える新規活性化合物を創出することに成功した。実験なしにコンピュータ上で未知の新規化合物を設計し、標的蛋白質に阻害活性の高い化合物を絞り込んだのは画期的な成果。3者はそのほか、創薬研究の推進において重要な情報を与える複数の低分子化合物も得ており、前臨床評価に向けこれらの化合物の改良を進める方針だ。
東大先端研と富士通は2011年6月に、IT創薬の共同研究を開始。同年7月には、計算科学に基づく創薬手法を導入し、研究開発で生産性・効率性向上を目指す興和が参加した。