【保険薬局の動向】存在意義問われる分岐点に

2015年1月1日 (木)

薬学生新聞

 厚生労働省が昨年秋に発表した「2013年度の衛生行政報告例概況」によると、13年度末時点の全国の薬局数は5万7071カ所と前年度より1274カ所(2.3%)増えたことが分かった。12年度は5万5797カ所、11年度は5万4780カ所とこの数年、再び店舗数の増加が続いている。また、12年度から病院薬剤師が病棟に常駐する業務(病棟薬剤業務実施加算の新設)がスタート。薬剤師確保が前提となるため、新卒者確保の綱引きはさらに激しさを増している。そういう意味では薬学生側にとって、就職は有利な状況にあるとはいえる。

 表面的な現象はともかく、薬局業務の中身については社会的、国家的にも注文がつけられている。地域医療保健、介護も含めた社会保障インフラにおける「健康情報拠点」としての位置づけが求められているのだ。

 焦点はなるべく病気にならないよう普段から健康を維持し、軽い症状は自らで対処する、つまりセルフメディケーション推進のため、薬局・薬剤師を活用するとの方針が政府(厚労省)から打ち出されている。当面、仮称「健康ナビステーション」の整備、在宅医療に関するモデル事業が進められつつある。今後広く対応が求められよう。

 今や“分業”率70%に迫る中で、薬局のほとんどが処方箋調剤、つまり「医療保険制度」の枠組みのみでの業務を行っている。そこに健康維持・増進に資するための情報等の提供、OTC医薬品等で対応、医療機関への誘導など、かつて本来薬局が持っていた多機能化へと業務シフトを求めている。

 当然、在宅医療への関わりも、これまで以上に求められてくる。数年来の調剤報酬改定でも、「在宅医療」については様々な施策が盛り込まれている。GE薬普及も、その主役に位置づけられ、さらなる圧力の強化は想像に難い。

 超高齢化社会の中で社会保障財源を削減し、今ある資源を有効活用する大きな仕組みの整備がされているのだ。この仕組みに乗り遅れれば、膨大に膨れた薬局数は急速に萎む可能性もある。

 これまで関係の薄かった地域医療機関、看護・保健職や介護関係者らと連携を深め、薬剤師の能力・機能を発揮し、患者さんのQOL向上に貢献することこそが、薬剤師・薬局が生き残る道といえよう。現状で「やってないじゃないか」と、OTC医薬品販売がほぼ全てネット販売可能になった。逆に国民、患者の「役に立っている」と広く認識されれば、薬剤師・薬局の未来はさらに広がることもなろう。2025年問題に向け、今まさに分岐点に立っている。



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