【薬業界ニュースクリップ】2014年重大ニュース

2015年1月1日 (木)

薬学生新聞


日本薬学会、6年制大学院生に研究奨励金‐来年4月開始、初年度36人

 日本薬学会は、薬学部6年制の大学院博士課程(4年制)に進学する大学院生を支援するため、新たな基金制度として「長井記念薬学研究奨励支援」事業を立ち上げた。返済義務のない奨学金として、来年4月から開始する。初年度となる2015年度は36人の採用内定者を決めた。研究奨励金は月額5万円。博士論文を提出することにより、貸与金の返済は免除される。ただ、学位を取得できなかった場合、博士論文を提出しなかった場合は返済が必要となる。事業規模は、初年度で2000万円、制度開始3年後に6000万円を見込み、6年制大学院博士課程に進学する全国の薬学部大学院生を総合的に支援する。

 研究奨励金の採用期間は15年4月1日から18年3月31日までの3年間。期間中に博士課程4年次あるいは博士後期課程3年次を修了した場合は、原則として修了年度まで。

 同学会は、薬学発展のためには博士の学位を持つ多様な薬剤師、薬学研究者を輩出することが重要になるとし、学位を取得する目的で研究に専念できる環境を整備し、
薬学研究等の活性化を目指して支援事業を新設した。

薬剤師国試、合格率60.84%‐過去19年間で最低水準

 第99回薬剤師国家試験の結果は、受験者数1万2019人のうち、合格者は7312人で合格率は60.84%だった。合格率は、前回の79.10%から18ポイント低下。1995年の第80回以降、空白期間の10年(第95回)、11年(第96回)を除き、最も低い水準となった。異例の低合格率は関係者に衝撃を与えた。

 1万4039人が出願したが、受験者1万2019人、このうち1万1339人が6年制卒だった。「6年制新卒」の合格率は70.49%だったが、「6年制既卒」は39.85%と低かった。

 大学別で最も合格率が高かったのは、金沢大の92.50%。合格率が9割を超えたのはこの1校のみで、前回の12校から大きく減った。最も低かったのは第一薬科大の13.22%。2校が合格率3割に届かなかった。

 合格率は、初めて6年制薬剤師を輩出した前々回が88.31%と高く、前回も80%台には届かなかったものの、平均的な合格率を維持していた。旧4年制国試の合格率も空白の2年間を除けば、70%から80%台半ばで推移していたことを考えると、今回の60.84%はかなり低い水準となった。

 厚労省は、「極端に問題を難しくしたという認識はない」とした上で、6年制既卒者の合格率が39.85%と低く、平均点を大きく押し下げる結果となったこと、6年制新卒者の合格率も70.49%と決して高いとはいえない水準であり、学生の質低下を要因の一つに挙げている。

薬剤師初任給、7年ぶり引上げ‐6年制で20万2700円

 人事院は、2014年度の国家公務員給与である月例給(基本給)を0.27%、ボーナス(期末・勤勉手当)も0.15カ月分引き上げるよう国会と政府に勧告した。病院等に勤務する薬剤師は医療職俸給表(二)が適用され、6年制薬剤師の初任給(2級15号俸)は20万2700円となった。引き上げ勧告は07年度以来7年ぶり。

 病院等に勤務する薬剤師は、栄養士等と共に医療職俸給表(二)が適用される。薬剤師の初任給は20万2700円と、昨年度より1900円アップしたものの、今年の民間給与調査では、企業規模500人未満100人以上で23万3800円、500人以上で21万4500円で、民間との差が広がっている。

 一方、民間の薬剤師初任給は、時間外手当や家族手当等を除き平均21万8600円で、昨年より2400円ダウンとした。企業規模が500人以上は21万4500円、500人未満100人以上では23万3800円と、1万9300円の差があり、昨年に比べて給与差は大きく拡大した。また、大卒技術者の平均19万9200円に比べると1万9400円上回った。

文科省、実務実習でガイドライン‐大学の積極的関与求める

 文部科学省は、「薬学実務実習に関するガイドライン(GL)」案を明らかにした。新たな「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に則した実務実習を円滑に行うため、臨床準備教育から実習後の評価など、全ての段階において大学側への主体的な関与を促している。指針に則した実習が行われているかどうかを毎年、検証することを求めているほか、病院と薬局で行われる実習に連続性を持たせるため、実習の枠組みを現行の3期制から4期制に変更し、最大3期までエントリーして割り振る方向性を示している。

 これまでの実習では、大学の教員が開始時と終了時に薬局や病院にあいさつに来るものの、実習中に訪れて学生が受けている学習内容を確認するケースはあまり見られず、「施設に丸投げしている」との指摘があった。

 そこで指針は、実習でどのような指導が行われているのかを把握し、各大学の教育の改善につなげていくサイクルを循環させるため、大学側が主導して実習に取り組むよう求めている。

新薬剤師養成問題懇、卒業日を3月10日以前に

 薬学教育6年制に伴う薬剤師養成のあり方などについて関係者が意見を交わす「新薬剤師養成問題懇談会」は、薬剤師国家試験合格者の免許登録日を早めるため、大学側が卒業日を前倒しすることを確認した。

 薬剤師免許は、合格発表後、すぐに申請しても証明書の取得に約1カ月程度かかる。しかし、薬剤師国試は医師、歯科医師など他の医療職種に比べて実施時期が遅い上、大学側の卒業認定も3月中旬から下旬と遅く、免許証の取得が4月1日に間に合わない。

 昨年8月には、東京医科歯科大学で免許登録前の薬剤師が調剤業務に従事していた事案が明らかとなり、日本薬剤師会と日本病院薬剤師会が連名で「薬剤師国家試験合格者の新規免許取得の短縮化に関する要望書」を厚生労働省医薬食品局長に提出していた。

 会合では、薬剤師免許発行日の前倒しに向けた大学側の卒業日設定が議題に上がり、国公立大学薬学部長(科長・学長)会議から、検討状況が報告された。各大学から2015年度の卒業生から3月10日ないしそれ以前に卒業日を設定することは可能との返事があったと説明があった。さらに、11月開かれた全国薬科大学長・薬学部長会議では、3月10日とすることを確認した。



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