日本イーライリリーは、日本でのファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験を推進していく。昨年、国内初となるFIH試験を実施し、順調に進捗しているようだ。米本社と連携し、アルツハイマー病など中枢神経系疾患を対象とした第I相試験にも挑む。執行役員開発本部長の藤本利夫氏は、本紙のインタビューに対し、「早期試験は、有効性・安全性を評価するのみならず、化合物のサイエンスを形成していく重要な試験。早期試験が日本でスキップされると、日本の開発能力低下につながる」と強調し、「2020年までに日本発のイノベーションを目指していく」との決意を語った。
イーライリリーでは、日本を重要な市場と位置付け、積極的な投資を行ってきた。国内で実施する第III相試験では、全体の8~9割が国際共同治験となっており、海外承認薬剤を日本で使用できない“ドラッグラグ”は解消しつつある。ただ、国内での第I相試験は、世界同時開発の中で海外との治験環境の違いもあり、後追いで実施しているのが実態だ。