JCRファーマの専務取締役研究本部・開発本部担当の立花克彦氏は、21日の記者会見で、血液脳関門(BBB)に薬物を通過させる自社技術「J-Brain Cargo」について、中枢神経系薬剤に応用する方向性を強調した。「(開発候補物質に)うまくくっつけて利用すれば、低分子から酵素、抗体といった高分子までBBBを通過させられる可能性が高い」と述べ、「(脳内の)中枢神経に届きさえすれば効くといった開発候補を持っている製薬会社は多く、そういう会社のシーズと、『J-Brain Cargo』をうまく組み合わせれば、いろいろな病気に有効性を示すことができるかもしれない」と他社との提携にも意欲を示した。
BBBは、血管内皮細胞の受容体などに特異的に反応し、血管内皮細胞を経て血液脳から脳実質へ必要なものを選択的に取り込み、害になるものをブロックする仕組みになっている。脳以外の血管内皮細胞と比較して隙間がほとんどなく、透過性が低くなっており、脳内に薬剤を取り込む際の妨げにもなっていた。