薬学教育6年制に伴う薬剤師養成のあり方などをめぐって関係者が意見を交わす「新薬剤師養成問題懇談会」(新6者懇)は4日、6年制薬学教育や卒業生の質確保をテーマに議論した。私立大学を中心に進級率の低い大学があることや、直近2年間の国家試験合格率が60%台に低迷していることなどを背景に、文部科学省と厚生労働省が教育の充実改善、学生の質確保を要請。教育関係者は、これまで以上に臨床能力を備えた卒業生が医療現場に輩出されるといった、6年制導入で得られた成果にも目を向けるべきと主張するなど、懸案事項となっている教育や学生の質確保をめぐる議論は深まらなかった。
文科省は、各大学の入学者に対する卒業率と国試合格率、実質競争倍率の関係を整理したデータを提示。実質競争倍率の高い大学では、6年間でストレートに卒業する学生の割合などを示す卒業率や、国試合格率が高い傾向にあり、卒業率、国試合格率とも低い大学は実質競争倍率も低い傾向にあることを示した。
また、実質競争倍率が低いにもかかわらず、卒業率や国試合格率が高い大学が存在している点を指摘。