医薬品開発支援サービスを手掛けるトランスジェニックは、2015年3月期決算で、上場初の最終黒字化を達成し、今後は安定成長を目指す。遺伝子改変動物作製から非臨床試験までの一括受託に向け、免疫不全動物を用いないヒト臓器マウスを開発し、他のCROとの差別化モデルにする。福永健司社長は、本紙のインタビューに応じ、「研究開発よりも事業基盤に投資してきた。売上50億円までは現状の事業構造で成長できる」と述べ、まずは売上を拡大し、黒字体質企業の実現を優先させる方針だ。
同社は、基礎研究分野におけるトランスジェニックマウスなど、遺伝子改変マウス作製での実績で認知度を高め、14年には非臨床試験CROである旧新薬開発研究所(現:新薬リサーチセンター)や、遺伝子解析に強いジェネティックラボを相次いで買収し、CRO事業に参入した。15年3月期は売上が前期比約21%増の約19億円、営業利益が2300万円、純利益が1700万円と黒字転換を果たした。