CRCとしてやるべきこと、やらなくていいことの役割分担を明確にすべきだ――。12、13日に神戸市で開かれた「CRCと臨床試験のあり方を考える会議」で業界関係者は、2013年に発覚した治験のデータ改ざん事件を題材に、その再発防止策について討議した。本来は業務ではなかった被験者募集が、あたかもCRCの担当であるかのような圧力にさらされた結果、CRCがデータ改ざんに関わったと指摘。CRCの役割分担の明確化や、業界全体での再発防止策の徹底が強調された。
10年に大阪市の病院で実施された肥満症を対象とした一般用医薬品の治験において、被験者の身長データが改ざんされた。被験者不足に対応するため、SMOのCRCが改ざんに関わった。SMOの管理職が適切な対応や指示を行わなかった結果、CRCが追い詰められて実行したとされている。