厚生労働省の中垣英明医薬・生活衛生局長は27日、専門紙の共同会見に応じ、同省が23日に策定した「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、薬局・薬剤師に対して「地域の中で求められている役割を考えること」を要請。ビジョンの実現に向けては、「一番大事なのは薬局・薬剤師のやる気。これまでと同じことをやっていて、生き残っていけるのか」と述べ、覚悟を持った取り組みを求めた。今年度中に始まる「人道的見地からの治験」(拡大治験)に関しては「本来の治験に悪影響があってはいけない」としながらも、「患者さんの強い気持ちもある。メーカーを含めて理解を得ながら進めたい」との考えを示した。
薬局ビジョンでは、患者本位の医薬分業の実現に向け、2025年までに全ての薬局を「かかりつけ薬局」に再編することを目指すと明記し、かかりつけ薬局の機能として、▽患者の服薬情報の一元管理▽相談や調剤への24時間対応・在宅対応▽医療機関との連携――を挙げた。
また、10年後の35年までには、いわゆる「門前薬局」について、建て替え時期などを契機に患者の日常生活圏への移行を促している。