【保険薬局の動向】「患者のための薬局ビジョン」まとまる

2016年1月1日 (金)

薬学生新聞

 厚生労働省は昨年11月、2014年度の衛生行政報告例の結果を公表した。それによると、14年度末時点の薬局数は5万7784カ所で、前年度より713カ所(1.2%)増加していることが明らかになった。5年前との比較では4000カ所以上増えており、薬局数の増加傾向が続いている。

 人口10万人当たりの薬局数は45.5カ所で、前年度よりも0.7カ所の増加。都道府県別に人口10万対薬局数の推移を見ると、佐賀県が63.8カ所で最も多く、山口県の58.5カ所、広島県の57.4カ所、福岡県の56.5カ所が続いた。昨年度と同様に、西日本で多い傾向は変わっていない。

 一方で、最も少なかったのは福井県の35.7カ所。次いで、奈良県の37.5カ所、埼玉県・千葉県・京都府の37.7カ所、沖縄県の39.9カ所だった。

 また厚労省は昨年10月、「『患者のための薬局ビジョン』~『門前』から『かかりつけ』、そして『地域』へ~」をまとめた。患者本位の医薬分業の実現に向けて、かかりつけ薬剤師・薬局の今後の姿を明らかにすると共に、25年、さらに10年後の35年に向けた中長期的視点に立って、現在の薬局をかかりつけ薬局に再編する道筋を示したもの。

 ビジョンでは、かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能として、▽服薬情報の一元的・継続的把握▽24時間対応・在宅対応▽医療機関との連携――を挙げ、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる25年までに全ての薬局が「かかりつけ機能」を持つことを目指すとした。また、チェーンの門前薬局を念頭に、「建て替え時期等を契機に立地を地域へ移行」などと明記し、薬局再編の全体像も示した。

 さらに、医薬分業の政策効果を評価するための仕組みも導入し、具体的な評価指標は今後検討するとしている。

 同ビジョンに明記された「25年までに、全ての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指す」との方向性に関して、日本薬剤師会の山本信夫会長は、「5年後くらいまでには何らかのメドは示したい」との考えを提示。「このビジョンがどれだけ(診療報酬)改定に影響するかは分からないが」とした上で、18年度の医療・介護報酬同時改定から2年後の20年度改定くらいが「階段で言えば踊り場になる」との見解を示した。

 山本会長は、5年後までに「どの程度、かかりつけ薬剤師・薬局の普及が進み、健康サポート薬局がどれだけ機能しているかが重要になる」とし、「その時までに全ての薬局ということではないが、少なくともかかりつけ薬剤師・薬局といわれるものが、日本中にかなりの数、存在しているという状況にはしたい」との意気込みを語っている。

 日本保険薬局協会(NPhA)も同ビジョンに対する声明を発表。ビジョンを地域で保険薬局が担う機能をまとめたものと捉え、「立地」に依存しない「機能」をサービスとして提供できる薬局へと転換、集約を図れるよう努力するとしている。

 NPhAの声明では、ビジョンで示された「門前」から「かかりつけ」「地域」へという課題を真摯に受け止め、会員に対して実現に向けた取り組みを促し、課題の具体的対応策を検討するとした。

 その上で、ビジョンでは「健康サポート機能と高度薬学管理機能が求められ、薬剤師の対物業務から対人業務への転換が重要な課題」と指摘。新たに「保険薬局キャリアづくり支援センター」を立ち上げ、会員企業の職員の能力開発、キャリア形成をバックアップしていく方針を打ち出している。



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