【薬局タカサ青葉の森店】総合的に人と関わる

2016年1月1日 (金)

薬学生新聞

薬局タカサ青葉の森店

 千葉市中央区青葉町の「薬局タカサ青葉の森店」は、千葉市立青葉病院や千葉大学医学部附属病院、千葉県立青葉の森公園に隣接し、落ち着いた環境の中にある。同薬局は、タカサが運営するサービス付き高齢者向け住宅「ラヴィータカサ青葉の森」、介護支援事業所「タカサケアサポート青葉の森」、デイサービス事業所「タカサデイルーム青葉の森」と併設している。薬局と施設が併設しているスタイルは、タカサとしても初めての取り組み。同薬局およびこれら施設にタカサの事業の一つである福祉用具の販売レンタル店「ライフケアタカサ千葉支店」を加えて連携会議を定期的に開催するなど、情報を共有。「いずれかの場面でタカサと関わりを持つことをきっかけとして、自然にトータルで人を包み込み、安心と安全を提供する」ことに取り組んでいる。

サービス付高齢者住宅等と併設

 薬局タカサ青葉の森店は、2013年2月に開設された。処方箋応需医療機関は、すぐ隣にある青葉病院が中心であるが、青葉病院は総合病院であり、バリエーションに富んだ処方箋を受け付けている。来局する患者層も小児から高齢者まで幅広い。1日平均の処方箋枚数は約80枚。現在は、常勤薬剤師3人、非常勤薬剤師1人、事務スタッフ2人という構成で日々の業務に当たっている。

江藤さん

江藤さん

 同薬局の最大の特徴として挙げられるのが、サービス付き高齢者住宅、介護支援事業所、デイサービス事業所と併設している点だ。同薬局管理薬剤師の江藤翔一さんは、「当薬局は居宅療養管理指導を行っているので、契約を結ばせていただいた方には、部屋まで薬をお届けし、残薬や飲み合わせの確認などを行っている」と説明。

 「併設しているからこそうまくできたり、やりやすいという面はあると思う。また、距離が近いので、利用者さんが直接薬局に来られて薬に関する相談をされるケースなどもあり、お互いにメリットがあるのだと感じている」とする。

 このほかにも、併設している施設向けに、定期的に「お薬教室」を開催したり、不定期ではあるが、併設する施設において薬剤師と看護師がブースを設けて「健康相談会」なども行っている。

 個人で同薬局の外来に来ていた患者が施設に入所するケース、あるいはその逆のケースなどもあるという。いずれの場面でも、ずっと患者とつながっていくことがタカサのスタイルであり、
それを実現しているのが同薬局および併設している施設になる。タカサでは、「このような形は今後、高齢者向け住宅を選ぶ上でも有用なものになるのではないか」としている。

定期的な連携会議で情報共有

 また同薬局では、定期的に連携会議を開催し、情報の共有に努め、患者や利用者への安心・安全の提供につなげている。連携会議は、それぞれの施設等の繁忙の状況等で多少は変わるものの、1~2カ月に1回という頻度で開催されている。

 江藤さんは、「主に施設に入所されている方や通所されている方を対象に、薬剤師、看護師、介護者などが総合的に意見を出し合っている。現在の問題点は何か、それに対して、それぞれの立場からの解決法などを話し合い、患者さんや利用者さんのQOLが向上するように努めている」と語る。

 さらに江藤さんは、連携会議を通して定期的に顔を合わせていることのメリットを指摘する。「例えば電話だけの相手だと、思ったことを言ってもよいか、気付いたことを尋ねてもよいかなど遠慮してしまう部分があると思う。しかし、定期的に顔を合わせていることで、そうした心の壁のようなものがほとんどないような形で、お互いに必要なことを言い合えたり、指摘し合えたり、お願いしたいことを伝えられたりする。こうした点は非常に大きい」とし、「最終的には患者さんのメリットも非常に大きくなる」と強調する。

 このように患者等のQOL向上や安心・安全の提供に努めている同薬局だが、今後の薬局を取り巻く環境の変化を見据えて江藤氏は、「セミナーなどに参加すると、“薬を増やせるのは医師だが、減らせるのは薬剤師”という言葉を聞く。そのためには、医学の知識、薬の知識を十分に知った上で何が必要で何が不要かを分からないといけない。そうしたものは一朝一夕ですぐに分かるものではない」と指摘。

 「そうしたことが分かる薬剤師を育てる薬局というものを目指していかなければ、差別化、生き残りは図れないのではないか。薬を減らすというのは一つの手段だが、知識を身に付けて専門化していかなくてはならないと常々考えている」とする。

 さらに、薬剤師を育てる薬局に必要なものとして、「個人でモチベーションを持って取り組むことも必要だが、個人がモチベーションを持って取り組めるような環境を会社全体で作っていくことも必要。課題を与えたり、声をかけたりしつつ、薬剤師のモチベーションを保つよう会社が一体となり教育を充実させていくことが必要だ」との考えを示す。

 タカサでは、入社してからの3年間、フォローアップ研修という形で、薬に関する研修をはじめ、管理者になるための準備研修、マナー研修、居宅の準備研修などを集中的に行う。3年が経過した後も、社内の研修や店舗ごとの研修などが充実している。

 江藤氏は、「月に1回でも社内研修などに参加するだけで、モチベーションは変わってくると思う。他店舗の薬剤師と話をすることなどでモチベーションが保てている」と語る。



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