日本化粧品工業連合会(粧工連)は、化粧品産業の展望を見据えた「粧工連の将来ビジョン2012」を昨年策定したが、同ビジョン実現に向けた短中期(3年間)の具体的な取り組みをアクションプランにまとめた。[1]消費者の化粧品産業に対する信頼性の向上[2]日本の化粧品産業全体のグローバル競争力の強化──の二つが大きな柱で、まず今年度は、リスク案件が発生した際の対応のステップと判断基準を明文化し、迅速な対応につなげる「リスクマネージメントの強化」に取り組む。さらには2015年度をメドに、海外動向や非公定化代替法の活用も考慮した「新・化粧品の安全性評価指針」、リスク評価に必要な日本独自の化粧品習慣に則した「化粧品の曝露評価ガイドブック(仮称)」の作成など、「業界指針の充実」を図っていく考え。
粧工連では、10年後に向けて目指す姿をビジョンにまとめ、その実現に向けて戦略ワーキンググループを設置し、検討を続けてきた。このほどまとまった短中期の具体的な取り組み内容では、粧工連会員企業が安全で効果のある製品を提供することで、消費者からの信頼を獲得・維持するために、安全性と有用性を担保する考え方を明確化すると共に、会員の遵守を促進すること、化粧品市場が拡大しているアジアを中心に、会員企業がグローバルに製品を販売しやすい規制環境の整備を働きかける──ことなどを念頭に置いた。