眼科領域に特化したバイオベンチャーの米アキュセラ・インクが開発を進める世界初のドライ型加齢黄斑変性(AMD)治療薬候補「エミクススタト」の米国第IIb/III相試験がいよいよ大詰めを迎えた。2014年3月から2年間の試験で、数週間後に治験が終了する予定。6月にはトップライン結果を発表する。米FDAとはその後にもう一本の第III相試験を行うことで同意しているが、窪田良社長兼CEOは、3月29日に都内で開催した決算会見で、「トップライン結果でエミクススタトの上市時期が明確になる。安全性に問題がなく、有効性でものすごく良い結果が得られれば、今回の試験データで申請できるような協議をFDAと行う場合もある」と早期申請の可能性にも言及した。
同社は、米国シアトルを本拠とし、視覚サイクル活動を減少させることで、網膜に蓄積する有害副産物の生成を抑制する「視覚サイクルモジュレーター」を基盤技術に、経口の非レチノイド低分子化合物「エミクススタト」の開発に着手。症状が進行すると失明に至る疾患でありながら、現在治療法がないドライ型AMDで実用化を目指している。