日本の「ものづくり」生かす
日立製作所やネオ・モルガン研究所等のバイオ医薬品製造技術メーカー、徳島大学、神戸大学、産業技術総合研究所をはじめとする国内29の企業と研究機関は、個別化医療を目指した抗体医薬等の製造技術を開発するため、新たに共同研究体を立ち上げる。研究者や設備等を出し合い、成果を相互活用する「技術研究組合」を設立する計画で、9月をメドに経済産業省に設立認可を申請したい考え。日本の「ものづくり」の力を結集し、抗体医薬等を安定的に生産できるよう技術面で支援することで、革新的バイオ新薬の創出につなげる。
経産省は、今年度予算で「個別化医療に向けた次世代医薬品創出基盤技術開発(国際基準に適合した次世代抗体医薬等の製造技術)」事業に37億円を計上。6月から委託先の公募を行い、今月に新たな技術研究組合の設立を視野に入れた共同研究体(名称未定)を採択した。
技術研究組合とは
産業活動で利用される技術に関して、組合員が自らのために共同研究を行う相互扶助組織(非営利共益法人)。各組合員は、研究者、研究費、設備等を出し合って共同研究を行い、その成果を共同で管理し、組合員相互で活用する。2009年の技術研究組合法改正で、研究開発終了後に会社化して研究成果の円滑な事業化が可能になるなど、従来に比べ使いやすい制度になった。大企業、中小ベンチャー企業、大学・公的研究機関等による幅広い活用が期待されている。