厚労科学研究班が薬局を調査‐病院薬剤師と連携課題に
薬局薬剤師が認知症や癌患者の在宅訪問業務を実施し、薬の副作用に対応することで8割以上の患者に副作用の軽減が見られた実態が、厚生労働科学研究班「地域のチーム医療における薬剤師の本質的な機能を明らかにする実証研究」(代表:今井博久東京大学大学院医学系研究科教授)の調査で明らかになった。全国1673薬局が参加した大規模調査から、在宅訪問業務における薬剤師の職能は、副作用への対応策でより発揮されたことが考えられた。地域の多職種連携の状況を調べた結果、病院薬剤師との連携は2割強と十分に行われていない状況も判明し、薬薬連携の推進が課題に浮かび上がった。
研究班は、薬剤師の在宅訪問業務の実態と多職種連携の状況を把握するため、日本薬剤師会の会員薬局を対象に調査を実施。全国1673薬局から回答が得られた。在宅訪問が実施されたのは2645人、患者の年齢は65歳以上が92%と大多数を占めた。