キャリア・ポジション社長
西鶴 智香
さて今回は「自分に自信をつけること」の大事さについてお話します。私は薬学生から「自分に自信が持てない」とよく聞くのですが、なぜ自分に自信が持てないのでしょうか。
自信の有無には、その人の今までの達成経験や成功経験の数が関係していると言われています。例えば、大学の講義でグループリーダーを担当することになった際に、中高時代に何度もその経験をしたことがある人なら、「私ならできる」と積極的に引き受けるでしょう。しかし、あまり経験がなく、しかも上手くできなかった記憶しかなければ「きっと失敗するからやりたくない」と思うでしょう。
ということは、今からたくさんチャレンジして、失敗もしながら成功する経験の数を増やしていけば、将来は「きっとできる」という自信を持った自分になれる、ということなのです。皆さんおわかりのように、段々と自分に自信がついてくると、物事を前向きに捉えられるようになり、不思議と次々にチャレンジしたくなるし、その経験を重ねた結果、知らぬ間に、自分の見ている世界が広がっていますよね。これは、人の成長に本当に大事なことなのです。
この「自分はきっとできる」と思いながらチャレンジし、結果を出していくことを「自己効力」と言います。例えば、プロスポーツ選手などはこの力を発揮し、活躍しています。以前、あるプロゴルファーがCMで「自分を信じられるようになるまで練習する」と言っていました。自分を信じられるようになる、つまり、自分はこの緊張した場面でもきっといいショットを打てて勝てる、と自分に言い聞かせて行動できるのが「自己効力」のことで、それには何度も何度も練習することが大事なのだと言っています。
薬学生の皆さんは、学生生活やアルバイトで、これから先幾度も失敗するでしょう。でも、失敗から学ぶことはたくさんあります。そして何度失敗したとしても、その中で1回でも成功すれば、違う世界が見えてきます。チャレンジを楽しみましょう。