【医学アカデミー薬学ゼミナール】計算を制する者は国試を制する!‐第103回薬剤師国家試験へ向けた計算問題対策

2017年7月1日 (土)

薬学生新聞


物理科目責任者 茂木 雄輔、薬剤科目責任者 横井 宏哉、実務科目責任者 坂口 努

 近年の薬剤師国家試験(以下、国試)では、多くの科目で計算問題が出題されており、国試全体では20題程の出題があります。また「考える力」を必要とする計算問題も出題されており、国試の合否を分ける要因の1つになっています。

 昨年8月、国試合格を目指す現役生を対象に、計算問題に対する意識調査(選択式のアンケート調査)を実施したところ、計算問題に対する苦手意識について66.3%が「ある」、33.7%が「どちらかと言えばある」と回答し、対象者の大半は計算問題についての苦手意識を持っていることが分かりました。

 苦手意識を持つ理由については様々でした。対象者に、計算問題に対する対策講義を受講頂いたところ、計算問題に対する苦手意識が「少なくなった」(24.0%)または「どちらかと言えば少なくなった」(62.5%)と回答した学生が多く、その要因としては「内容(式の意味など)が分かった」とする学生が大部分(51.0%)を占めていました。したがって、苦手意識の変化のためには「式の暗記」や「演習数の確保」も大切ですが、より「内容理解」が有効だということが確認できました。

 以下に第102回国試の各領域における特徴と出題例を示します。「計算が苦手」と感じている方がこの記事を一読し、計算問題への抵抗をなくす一助になれば幸いです。

物理

■領域における特徴

 物理領域は、計算問題の割合が他科目よりも多く、既出問題の理解で対応できる問題も出題されていますが、新傾向の難問も多く、全体として正答率は低い傾向にあります。

■領域における計算問題の出題傾向

 出題基準における「反応速度」「酸と塩基」「物理平衡」「容量分析」「分光分析」の各小項目からの出題が多く見受けられます。特に、「反応速度」の内容は、薬剤の出題基準においても同様の内容があり、複数の出題が見受けられます。

■第102回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 本設問は、第97回問201類似問題であり、既出問題の理解で解答できる問題です。

 問題文よりHenderson式を用いて解答していくことを理解し、公式に適正な値を代入する。

■領域における学習方法のアドバイス

 既出問題と同様の解法で解答できる問題は、必ず得点できるようにしていく必要があります。まずは既出問題から勉強を開始し、頻出範囲の公式を覚えることや、内容の理解を進めていきましょう。また、既出問題で使用する公式を覚えても、当てはめる値を間違えると得点に繋がらないため、既出問題を解く際には、「なぜこの値をこの公式に当てはめたのか?」と常に疑問を持ちながら学修を進めていく必要があります。

薬剤

■領域における特徴

 薬剤領域は計算問題が複数題出題されます。既出問題と同様の解法で解ける問題が多数出題され、新傾向を踏まえた難問もありますが、全体としては正答率が高い傾向です。

■領域における計算問題の出題傾向

 出題基準における「薬動学」「TDM(投与計画含む)」「物質の溶解」の各小項目において頻出傾向で、特に「薬動学」では複数題の出題が毎年見受けられます。

■第102回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 本設問の計算過程や形式は既出問題に準じ、第92回問163の類似問題です。

■領域における計算問題の学習方法のアドバイス

 既出問題での演習をベースに学習を進めることで、「既出問題と同様の解法で解ける問題」の得点力向上が見込まれます。また、設問内で問われた薬物動態パラメータが示す意味まで内容理解を進めることで、新傾向を踏まえた難問への対応力を養うことができます。

実務

■領域における特徴

 既出問題にある基本的な計算をベースに、様々な情報を組み合わせた臨床に即した出題があり、設問中から必要な情報を的確に見つけ出し、活用することが求められています。

■領域における計算問題の出題傾向

 実務領域の計算問題の難易度は平易~中等であり、散剤・液剤・消毒薬・輸液(mEq、NPC/Nなど)とバランス良く出題されます。

■第102回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 過去に出題されているカロリー計算(第96回問227)と新傾向内容[基礎エネルギー(BEE)、総エネルギー消費量(TEE)]のMIX問題です。なお、TEEは次の式で求める事が出来ます。TEE=BEE×活動係数×ストレス係数

■領域における計算問題の学習方法のアドバイス

 既出問題は解ける事を前提に新規計算問題への対応力も必要となります。そのためには、既出問題を解く際に、「ただただ正解できる」ではなく、「なぜ、このような解法なのか」「解き方を暗記するのではなく理解して解く」などを意識し、既出問題を反復練習するようにしましょう!



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