中期的には外部受託目指す
武田薬品と米CRO大手「PRAヘルスサイエンシズ」の国内合弁CRO「武田PRA開発センター」が6月に発足した。製薬企業とCROの合弁会社という新たなモデルを始動させる中、新社長に就任した小川淳氏は、本紙のインタビューに応じ、「武田薬品が持つ製薬企業として培ってきた経験と、PRAがグローバルCROとして保有するネットワークを統合したデリバリーシステムを目指したい。製薬企業とCROの関係を垂直統合から水平展開に変えていきたい」と抱負を述べた。少なくとも2年間は武田薬品が行う国内治験をCROとして受託し、実施していく役割を担うが、中期的には他の製薬企業からの受託獲得を目指していく考えだ。
武田とPRAは昨年、グローバルで臨床開発における包括的なパートナーシップ契約を締結した。PRAは、約1万3000人の従業員を抱え、臨床開発に特化するグローバルCROの一角。武田が実施する臨床試験は優先的にPRAが受託するという内容で、国内では臨床開発に特化した両社折半出資の合弁会社を設立し、武田の臨床開発子会社「日本開発センター」からも社員140人が転籍している。一方、PRAはエイツーヘルスケアなどCROとの協力関係を通じて、日本事業を展開してきたが、国内に足場を持つことになった。