ニュースダイジェスト

2017年9月1日 (金)

薬学生新聞


第1類薬のネット販売、23%が情報提供行わず‐厚労省が覆面調査

 インターネットの医薬品販売サイトで、副作用リスクが高い第1類医薬品を販売する際、23%が情報提供を行っていなかったことが厚生労働省の調査で判明した。情報提供していたケースでも、法律で義務づけられている「薬剤師による情報提供」を行っていた販売サイトは前年度の82.0%を12.2ポイント下回る69.8%にとどまっており、一般薬のネット販売における販売ルール徹底が課題に浮上した。

 調査は、薬局・薬店が店舗やインターネットで一般薬が適正に販売されているかどうかを把握するため、調査員が消費者を装って実施しているもの。今回は全国5020の薬局・店舗、508のインターネット販売サイトが対象となった。第1類薬をインターネットで販売するに当たり、購入者にメールなどで適切に情報提供を行っていたサイトは76.8%、「情報提供なし」のサイトは23.2%に上った。いずれも前年度(情報提供あり71.4%、情報提供なし28.6%)より改善したものの、依然としてルールの徹底が不十分だったことが明らかになった。

 一般薬のインターネット販売に関する新たな規制を盛り込んだ改正薬事法・薬剤師法では、2014年6月の施行後5年をメドに販売ルールの遵守状況などを検証し、必要な措置を講じることになっている。ルールが徹底されていない状況が続けば、再び一般薬のインターネット販売解禁の是非に議論が発展する可能性もある。

 一方、店舗販売の調査では、要指導薬について、購入者本人が使用するか確認を行った薬局は、前年度から4.2ポイントマイナスの81%にとどまった。要指導薬を販売する際、情報提供を行っていた薬局・店舗販売業は86.5%だったが、文書を用いて詳細な説明を行ったのはマイナス3.7ポイントの75.8%で、文書を渡されたが詳細な説明がなかったのは4.1%(前年度4.0%)、口頭での説明しか行わなかった店舗は20.1%(16.5%)だった。

 販売に当たっては、使用者の年齢、症状、他の医薬品の使用状況を確認する必要があるが、遵守していた薬局・店舗販売業は前年度の91.8%からマイナス4.5ポイントの87.3%だった。

 要指導薬は、薬剤師のみが販売できることになっており、販売時に情報提供を行った人の資格は「薬剤師」が96.3%で、ほぼルールが遵守されていた。

 要指導薬だけでなく、第1類薬の販売時にも文書を用いた情報提供を行う必要があり、遵守率は前年度の73.6%からマイナス5.4ポイントの68.2%だった。文書を渡したものの詳細な説明を行わなかったのは4.0%(4.3%)、口頭のみでの説明しか行わなかったのは27.8%(22.2%)で、遵守が不十分だった。

【厚労省検討会議】スイッチOTC、4成分「妥当」‐緊急避妊薬は「不可」

 医療用医薬品から一般用医薬品(OTC)へのスイッチを検討する厚生労働省の検討会議で、ドライアイ薬「ヒアルロン酸ナトリウム」、急性胃炎薬「レバミド」、関節痛薬「メロキシカム」、アレルギー薬「フルチカゾンプロピオン酸エステル」の4成分については、スイッチ化が妥当とされたが、緊急避妊薬「レボノルゲストレル」は「不可」と判断され、OTCへの転用が見送られた。日本産科婦人科学会が薬局で薬剤師が説明することが困難との理由で反対したためだ。ただ、薬剤師が直接管理できるカウンターに置かれ、薬剤師のコンサルティングが要求されるBPC(Behind the pharmacy Counter)としての販売を求めていることから、要指導医薬品のような取り扱いになる可能性もある。今後、一般からの意見募集を行い、寄せられた意見をもとに11月の検討会議でスイッチ化の妥当性を確認する予定だ。

 医療用薬を一般用にスイッチOTC化する新たな枠組みは、学会、団体、消費者などから随時候補成分を受け付け、医学会などの意見を聞いた上で、評価会議でOTCにスイッチすることの妥当性を科学的に検証していくというもの。ヒアルロン酸ナトリウムをスイッチOTC化する場合に妥当とされた効能・効果は、目の乾き(涙液補助)、異物感(コロコロ、チクチクする感じ)、ソフトまたはハードコンタクトレンズを装着しているときの異物感(貼りつき感など)、疲れ、かすみ、目やに、充血など。ドライアイ、角膜保護の効能・効果は不可とされた。日本眼科学会などは、OTC化の留意事項として、1週間程度の使用でも改善が認められない場合の受診勧奨を薬剤師が行うことなどを示した。

 レバミドの効能・効果は、胃潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善で、日本消化器病学会は、OTC化した場合は効能・効果から「胃潰瘍」を除外すべきと主張した。

 一方、スイッチ化が見送られた「レボノルゲストレル」は、日本産科婦人科学会などがスイッチ化して薬局・ドラッグストアなどで販売できるようになれば、「意図しない妊娠の減少が期待される」としつつ、「服用後に妊娠に成功したかどうかの自己判断や、薬局で薬剤師が説明することは現状では困難」などの理由から反対し、OTCではなく、販売に当たって薬剤師が直接管理できるカウンターに置かれ、薬剤師のコンサルティングが要求されるBPC(Behind the pharmacy Counter)とすべきとの見解を示した。

MR総数、3年連続で減少‐各社、人員の効率化進める

 昨年度のMR総数が前年比で950人減の6万3185人と3年連続で減少した。MR認定センターがまとめた「2017年版MR白書」で明らかになったもの。MR総数が3年連続で減少したのは初めてで、過去2番目に大きい減少幅となった。一方で薬剤師MRは2年連続で増加し、より専門知識を持つ人材にシフトしつつある傾向がうかがえる。MR数の減少は、生活習慣病領域のブロックバスター製品の減少や薬価引き下げなどに伴う経営資源配分の最適化などが背景にあると見られ、一層の効率化が迫られる中、MRの減少トレンドは今後も続きそうだ。

 製薬企業192社、MR業務委託・派遣企業(CSO)17社、卸1社の210社から得た回答で認定取得者だけを見ると、1333人減の6万1168人と11年度の水準まで減少した。女性が200人減の9000人と調査開始以来初の減少となった。管理職では、女性が前年と同数の196人、男性が928人増の8765人で計8961人に増加した。前年に626人減少したため、その反動による補充と見られる。

 内資製薬企業では649人減の3万6844人、外資製薬企業では335人減の2万2217人と減少したが、CSOは68人増の4054人となった。新薬メーカーが長期収載品を後発品メーカーに承継し、後発品メーカーが販売するようになったことや、昨年に日本企業が関連した合併・買収件数が過去最高となったことを含め、MRを多く抱える企業で人員の効率化が進む傾向が考えられた。

 薬剤師MRは202人増の6446人と2年連続で増加し、全体での構成比は昨年と算出方法を変えたため、10.2%となった。修士以上が316人減の1318人だった一方、学士では518人増の5128人となった。男女別では女性は72人減の944人、男性では274人増の5502人となった。

 MRの新卒採用では、採用企業が97社(46.2%)、採用しなかった企業が111社(52.9%)となった。外資系製薬企業では新卒採用が38.3%にとどまったが、内資系製薬企業では54.5%と半数を超えた。今後は後発品メーカーにも20年の数量シェア80%目標を見据え、情報提供に関する経営資源効率化の動きが予想され、高い人件費がのしかかるMR数の減少に歯止めがかかる可能性は低そうだ。

来年度開始の次期医療計画、かかりつけ薬剤師確保を明記

 日常生活圏で必要な医療を確保するため、都道府県が作る第7次の医療計画が来年度からスタートする。第二次世界大戦直後のベビーブームの時期に生まれた団塊世代が75歳以上となり、医療と介護のニーズがピークに達する「2025年問題」に対応する地域包括ケアシステム構築に向け、来年度からの医療計画は大きな意味を持つ。その中に、国は「かかりつけ薬剤師」の確保を盛り込む方針を打ち出したのである。薬剤師の資質向上のため、専門情報の習得や患者とのコミュニケーション能力の向上、多職種で実施する研修が行われるよう研修状況を把握し、関係者間の調整を行うことを明記。地域医療をしっかり確保するため、薬局が果たす役割に期待を示した格好だ。

 医療計画では、地域薬局の役割として、医療機関と連携して患者の服薬情報を一元的・継続的に把握し、それに基づく薬学的管理・指導を行い、入退院時の連携や夜間・休日の調剤や電話相談に対応することなどの役割を求めている。

 今回、その中に▽服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導▽24時間対応・在宅対応▽かかりつけ医をはじめ医療機関との連携強化の機能を備えた「かかりつけ薬剤師」を確保するとの記載を新たに盛り込んだ。

 日常生活圏でかかりつけ薬剤師を確保するため、医療計画には、薬剤師の資質向上のため、『患者のための薬局ビジョン』を踏まえて最新の医療・医薬品に関する専門情報を習得し、患者や住民とのコミュニケーション能力の向上につながる研修、医療機関との連携強化に向けた多職種共同の研修が行われるよう研修状況を把握し、関係者間の調整を行うことを明記する。

【厚労省】高齢者の多剤併用是正へ‐適正使用で指針づくり

 袋いっぱいに薬が大量に残っている写真を一度は目にしたことがあるだろう。残った薬が使われず、また次の薬が処方されるというムダが繰り返されているケースも少なくない。そんな複数の薬を服用している高齢者のポリファーマシーを是正するため、国が対策に乗り出した。厚生労働省は、高齢者の薬物療法で見られる多剤服用に関して、薬の適正使用ガイドラインを作る方針だ。75歳以上の高齢者では服用している薬の種類が多く、特に6剤以上を併用していると、副作用の可能性が高まることから、適切な薬物療法を行うと共に、不必要な薬を削減するために指針を定めることが必要と判断したものである。

 厚労省の検討会がまとめた中間案では、高齢者の薬物療法に関して、服用薬の種類は75歳以上でより多い傾向があること、ポリファーマシーの患者に複数の医療機関を受診する傾向があること、6剤以上の併用によって薬剤関連の有害事象頻度が高くなる傾向にあることなどの現状を指摘している。

 こうした特徴を踏まえ、高齢者の薬物動態を考慮した投与量を調整したり、多剤併用時の薬物相互作用による副作用を防ぐため、医師、薬剤師などが参考にできる適正使用ガイドラインを作る必要があるとしている。具体的なガイドライン作りに当たっては、経口血糖降下薬、高血圧治療薬や抗血小板薬などの循環器用薬、認知症治療薬、重複処方が懸念される睡眠導入剤や抗不安薬など、特に検討が必要な薬効群を考慮すること、急性期や回復期、入院、外来、在宅など各医療現場の特徴に合わせて薬剤数調整や処方変更などの考え方を整理することの必要性を明記している。

 高齢者が服用する医薬品の適正使用を促すため、多職種間で情報を共有する仕組み作りに加え、共有する情報に薬剤管理の方法や転倒など患者の状況、処方情報や服薬アドヒアランスの状況などを例示している。

 さらに、電子版お薬手帳を活用した処方・調剤情報の一元的、継続的な把握など多職種を含めた情報共有を支援する仕組み作りに加え、医療機関や薬局の機能に応じて保険者と連携し、多剤服用情報をフィードバックするなどの取り組みを進めていく方向性を示している。



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