大塚製薬とデジタルヘルスの米プロテウス・デジタル・ヘルスは、医薬品と医療機器を一体化して開発された世界初のデジタル・メディスンとして、抗精神病薬「エビリファイ」の錠剤に摂取可能な極小センサーを組み込んだ「エビリファイ・マイサイト」の米国承認を取得した。ICTを通じて、患者の服薬状況に関する記録ができ、医療従事者との情報共有も可能になるため、遠隔での服薬管理が行える。服薬アドヒアランスが不良な重度の精神疾患患者をターゲットにしており、まずは少数患者を対象に、服薬遵守率を指標とした効果検証や課題を集積する。
米国FDAがデジタル・メディスンを承認するのは史上初。2015年に承認申請していたが、デジタル・メディスンとしての臨床試験を実施していないため、有効性・安全性エビデンスが十分ではないという理由から、当時のデータでは承認を認めないとする「審査完了報告通知」(CRL)を昨年5月に受領するなど難産だったが、FDAが承認条件として求めていた、患者がデジタル・メディスンを長期にわたって服薬する上で実際に使われる条件下でのデータ等を追加提出し、ようやく承認にこぎ着けた。