千葉県習志野市を拠点とする医薬品原薬メーカー「白鳥製薬」は、11月に白鳥豊前社長が代表権のある会長に就き、白鳥悟嗣(さとし)氏が専務取締役から代表取締役社長に昇格する新たな事業体制を始動した。昨年に創業100周年を迎えた歴史ある原薬メーカーだが、今後は原薬製造受託と共に創薬、グローバル展開へと新たな挑戦に動き出す。悟嗣新社長は、本紙のインタビューに対し、今後5年間での事業見通しについて、「グローバル企業としての1歩目を踏み出したい」と強調。海外売上比率を現在の1割弱から2~3割に引き上げると共に、海外ビジネスに対応できるグローバル人材を育成したい考えだ。
白鳥製薬は1916年に国内で初めてカフェイン抽出に成功した企業で、医薬品原薬・中間体、機能性有機化合物、健康食品を開発してきた。医薬品原薬製造を中心とした事業展開を進め、2002年公布の薬事法改正以降は輸入販売を開始し、ジェネリック医薬品の原薬製造を拡大するなど環境変化にも対応した。さらに、14年には習志野市に設立した茜浜研究所で抗癌剤原薬に代表される高薬理活性医薬品原薬の開発に着手している。