【マイクロン】子育て中でもリーダーに

2018年1月1日 (月)

薬学生新聞

 女性の働き方をつくる――。PETやCT、MRIなどの医用画像を用いて、開発中薬剤の有効性や安全性を評価する治験(イメージング臨床試験)が広がる中、イメージングCRO「マイクロン」では、女性社員の感覚を生かして新薬を社会に届ける。逢坂由里子(おうさかゆりこ)さんと松山靖代(まつやまやすよ)さんは、医薬品開発でイメージングCROが定着する前から、現場の最前線で切磋琢磨し、イメージング臨床試験を創り上げてきた戦友のような間柄。グループマネージャーを務めてきた松山さんは11月から産休に入ったが、2度の産休・育休を経験している逢坂さんがその役割を担い、“ママからママ”へとしっかりとバトンが引き継がれた。松山さんが復職後、2人が模索していくのがイメージングCROで活躍する女性の働き方だ。「子育て中の女性も、リーダーになれる会社にしたい」。先駆者である2人の思いが強く滲んだ。

逢坂 由里子さん

画像解析事業部
入社10年目
2013、15年産休・育休取得
2児の母

バランス取れた働き方に
逢坂由里子さん

 「研究色の強い会社で働きたい!」。理系出身の私がそう考える中でめぐり会えたのは、当時はあまり耳慣れない業種だったイメージングCROのマイクロン。PETやMRIで臓器や組織を撮像し、画像解析で薬剤の効き目を客観的に評価する治験業務は、医薬品開発業界ではとても先駆的な仕事でした。イメージング臨床試験には参考になる仕事のスタイルや業務モデルがなく、試行錯誤しながら、メンバーで一丸となって、治験でのデータ品質を確保するためのプロセスを構築してきました。

 医薬品開発でやりがいを感じられる瞬間は多々あります。担当している治験で評価した開発候補品が医薬品として上市され、クライアントである製薬企業の担当者から「ありがとう」と、感謝の言葉をもらえた時に、新薬開発に携われた喜びが沸いてきますね。

 マイクロンに入社してから2度の産休・育休を経験しました。1回目の産休のときは、時間的拘束もあり、出張にも行けなくなって、自分自身、仕事をセーブしないといけないことが心理的につらいと感じる瞬間がありました。しかし2回目の産休・育休を経て、そんな心の中の葛藤にも折り合いをつけ、仕事と家庭のワークライフバランスが取れた働き方を自分で見つけられるようになりました。会社にいる時は仕事に集中していますが、勤務を終えて会社のエレベーターに乗った時には、すぐに頭の中が子どもの顔で一杯になる。保育園にお迎えに行って子どもの顔を見て、より愛おしく感じられるようにもなりました。

 良き同僚に支えられて仕事を続けていられるから、今の私がある。子どもが急な発熱で、仕事をお休みしなければならないときにも、誰かがフォローしてくれる。申し訳ない気持ちと同時に、マイクロンの仲間にはいつも感謝しています。

 だから今は、自分が仕事をセーブするのではなく、どこまでできるか挑戦したいという気持ちが芽生えるようになりました。産休に入った松山さんから、グループマネージャーの代行という重責を引き継ぎ、不安な気持ちもありますが、その大役を務めたいと身が引き締まる思いです。それから、会社として女性がもっと活躍できるカルチャーもつくっていきたいと考えてます。松山さんが復職した後は、子育て中の人材が女性リーダーになっていく会社を、一緒に目指したいですね。

 イメージングCROの将来は広がっています。現在、研究で使われるイメージング技術が、診療や治験に適用されるようになる一助を担えればと思います。今後のイメージング臨床試験のあり方を創り上げるような、これまで以上のことに挑戦していきたいです。

松山 靖代さん

画像解析事業部
入社9年目
2017年産休・育休中

自分にできることを考える
松山靖代さん

 病院で放射線技師を経験し、09年にマイクロンに入社しました。当時はイメージングCROという概念がなく、採用面接で会社の事業説明を聞いてもあまり良く分からなかったというのが本音です。でも、そのときの上司と社長の話がとてもアツかったことだけは覚えています。「面白い仕事ができるのではないか!」と感動して、入社したことを思い出しますね。

 幸いなことに、放射線技師として医用画像を扱った仕事をしてきた経験が当社での仕事に生かすことができました。ただ、当時はイメージング臨床試験に関する知識が社会全体になく、私たちが専門的な知識を使って主体的に仕事をしていかなければ、イメージング臨床試験を浸透させるのは難しかったように思います。

 治験には多くの専門性を持った人たちが関わりますが、治験を実施する医師とのやり取りに加え、放射線技師や治験コーディネーターの方たちに治験でのやり方を説明する“つなぎ役”を担い、治験が正しく行われるよう努力してきました。とても大変な仕事でしたが、ルーティンで毎日、同じような作業をするよりは、自分で考えながら治験のプロセスをつくっていく仕事はとても刺激的で、楽しく過ごしてきていたように思います。こうした仕事の積み重ねがあったからこそ、製薬企業の担当者の方から「この薬剤の治験はマイクロンでないと頼めない」と、新規案件を依頼していただけるまでになりました。苦しい頃を知っているからこそ、とてもうれしかったですね。

 現在は産休・育休中です。私自身、この会社に入るにあたって、ずっと長く働ける職場を探しており、マイクロン入社後は産休・育休を取得し、復職する先輩方を何人も見てきました。復職を予定していますが、当然、周囲の同僚の方々のサポートを受けなければ、仕事を続けることは難しく、自分が会社のために何ができるかを考えたいと思います。

 これからは結婚や子育てをしながらも、社会から評価されるような女性が働く環境や仕組みをつくりたいです。薬学生には、条件面での職探しではなく、自分に適した会社選びをしていただきたいですね。私も放射線技術科学を専攻し専門家としての学問を修めましたが、臨床現場ではなく、マイクロンでの仕事を楽しめています。

 今後もマイクロンにとって明るい未来が待っています。逢坂さんは研究の視点からイメージングCROに可能性を感じているようですが、私は医療の視点から、画像を用いた評価基準が治験の枠を越え、一般診療でも使われる時代が近い将来やってくると思います。



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