【学校法人医学アカデミー薬学ゼミナール】第103回薬剤師国家試験直前最終チェックポイント!

2018年1月1日 (月)

薬学生新聞


物理科目責任者 茂木 雄輔、化学科目責任者 林 美樹子、生物科目責任者 小林 あつみ、衛生科目責任者 菊池 聡、薬理科目責任者 猪又 雄太、薬剤科目責任者 横井 宏哉、病態・薬物治療科目責任者 後藤 健太、法規・制度・倫理科目責任者 尾島 良太、実務科目責任者 坂口 努

 6年制国家試験の7回目となる第103回薬剤師国家試験(以下、国試)が2月24日(土)、25日(日)に実施される。第101回国試前に合格基準が一部改正された(改正後合格基準:)が、第102回国試の実際の合格基準は4問の解なし問題が採点除外として取り扱われ、全問題の得点率63.64%以上(別途、必須問題の基準を満たすこと)となった。第102回国試の実際の合格率は、6年制新卒85.06%(合格者数7052人)、6年制既卒50.83%(合格者数2295人)、その他(旧4年制卒、4年制卒を含む)30.21%(合格者数132人)となり、合格者総数が過去10年で最も高い人数となった前回の国試と比較して約2000人減となった。

 これらの結果は、既出問題がそのまま再出題されることなく、理解して学修していなければ得点できない問題が出題されていることなどが影響したと考えられる。6年卒業時に必要とされる資質「薬剤師として求められる基本的な資質」に含まれる「基礎的な科学力」「薬物療法における実践的能力」を問うための「基礎力」「考える力」「医療現場での実践力」を必要とする問題が多く出題されているため、国試に向けて実務実習で体験した臨床を基礎科目とつなげる学修が必要である。

 また、改訂コア・カリで長期実務実習中に必ず体験してほしいとされる「代表的な疾患:」が発表され、第102回国試でも実践問題を中心に多く出題されていた。特にがん、感染症の出題が多い傾向が続いている。第103回国試に向けても代表的な疾患を中心に症候、検査値を読み取り、ガイドラインに基づいた薬物療法につなげて解答するような臨床的知識を問う内容を理解できる学修も必要となる。

 今回は、第103回国試に向けた「最終チェックポイント」として、薬学ゼミナールの科目責任者が全9領域の国試対策を紹介する。

物理

 物理は、苦手としている学生さんも多いと思いますが、学修のヒントになれば幸いです。

 物理化学では、図・表を用いてその場で考える問題が出題されます。既出問題で学修する際は、必ず縦軸・横軸を確認し、何を表している図・表なのかを考えながら学修を進めましょう。

 出題頻度が高い範囲は、『熱力学、反応速度論、束一性、分子間相互作用』です。

 分析化学・放射化学では、既出問題の知識で解答できる問題が多く出題されています。しっかり既出問題を理解し、かつ出題されている分野の周辺知識を補完しましょう。出題頻度が高い範囲は、『酸・塩基、容量分析、クロマトグラフィー、電気泳動、分光分析、画像診断法』です。

 努力は必ず実を結びます!前向きに学習を進めてください!

化学

 化学の領域は、これまで通り『化学構造』が多く出題されることが予想されます。

 基礎事項や立体化学は、用語を理解し、該当する構造を確実に選べるようにしましょう。また、化学反応は、それぞれの反応の特徴を理解した上で、反応主生成物の構造を判断できるようにしましょう。また、糖をはじめとする『生体成分の構造、それに関連する化学反応、医薬品の化学』は頻出ですので必ず復習しましょう!

 そして、この時期忘れてはいけないのが、『生薬』です。暗記すればそのまま得点につながる可能性が高い『代表的な生薬、確認試験』、基本の理解を必要とする『生合成経路』に加え、実務分野になりますが『漢方処方』の基礎についても学びましょう!

生物

 生物の領域では基本的な内容を問う問題から図表や実験問題など考える力を必要とする問題まで幅広く出題されています。国試直前期では、下記の内容を参考にしながら各範囲を満遍なく学修し、知識の抜けがないかを確認してください。

 機能形態学は『臓器・組織の構造や機能』、微生物学は『細菌・ウイルスの分類や構造』を見直しましょう。生化学・分子生物学は『生体成分(脂質・糖質・アミノ酸・核酸など)の構造や代謝』、免疫学は『反応に関わる細胞や抗体などのタンパク質の構造や機能』が幅広く出題されていますので、全体像を意識しながら復習することが大切です。

 また、薬理や薬物治療などに関連する内容(薬の作用機序、病態形成、感染症など)は実践問題で出題されていますので忘れずに復習しましょう。

衛生

 衛生の近年の傾向として、出題形式に関しては『図表問題の出題』が目立ちます。推移や特徴を把握し、グラフなどが変化している理由を確認しましょう。また、出題範囲に関しては、『[1]既出問題[2]実験[3]歴史[4]トピックス』の大きく4範囲です。

 [1]既出問題は、正解を確認するだけではなく、一記述ごとのポイントとなるキーワードを確認しましょう。

 [2]実験は、測定対象物質、試薬と実験の目的、結果、考察を確認しましょう。

 [3]歴史は、戦後の日本の人口変動や衛生状態の変化などを確認しましょう。

 [4]トピックスは、今年話題となった公衆衛生を確認しましょう。

 衛生は年明けからでも得点がグンと伸びる科目です。最後まで諦めず点数を伸ばしていきましょう!

薬理

 薬理では出題基準に沿って満遍なく出題され、既出内容だけでなく未出題薬物に関する問題もバランスよく問われています。未出題薬物は、過去3~4年分(第99~102回国試)の問題文中に、関連する機序やキーワードが前振りとして記載されていることが多いため、問題文の内容をしっかりと理解することが重要です。

 また、構造式から機序や特徴を推定する問題も出題されているため、構造式関連の既出問題にも目を通しておきましょう。

 国試直前期には既出問題の見直しが最も重要です。特に、[1]自律神経系[2]中枢神経系[3]循環器系[4]代謝系[5]感染症・悪性腫瘍に関わる薬物は重点的に見直しを実施しましょう。

薬剤

 近年の傾向としては、既出問題の内容を中心とした出題が多いです。近年10年分の出題内容について、周辺知識を含めて確認し理解すると得点しやすいでしょう。国試直前期には、これまでに学修を進めた内容の定着・知識の漏れをなくすことを意識しましょう。

 実務との関連性も強く出題の可能性が高い範囲として、薬物動態学では『投与計画、TDM、薬物動態変動』、製剤学では『半固形製剤の基剤、無菌製剤、DDS』があります。投与計画では公式を用いた計算問題演習、TDMでは有効血中薬物濃度域、薬物動態変動では疾患時と年齢による動態変化、半固形製剤の基剤では具体的な基剤例、無菌製剤では注射剤や点眼剤の局方規定、DDSでは放出制御の仕組みとターゲティングの担体について、確認すると良いでしょう。

病態・薬物治療

 近年の薬物治療では、よく出題のある疾患からややマイナーな疾患まで幅広く出題があります。そのため、基本的な疾患に関しては既出問題を中心に演習を行い、新規の疾患に関しては疾患の概念を確認し、概要を把握しましょう。

 情報・検定に関して、情報は覚えていれば正答が可能なものも多いため、各種情報源の特徴を再度確認しましょう。また、検定は実際の論文などのデータを使ったものや検定法の詳細を問われる可能性が高いため、既出問題を中心に検定の手法や実際のデータの読み方などを再度確認しておきましょう。

法規・制度・倫理

 近年は、出題基準から満遍なく出題され、毎年新傾向の内容も出題されています。既出問題の内容を理解していることで得点できる設問は多く、他科目と比較して得点しやすい傾向です。

<出題頻度が高い10項目>

[1]薬剤師法[2]医療法[3]医薬品医療機器等法[4]麻薬及び向精神薬取締法[5]毒物及び劇物取締法[6]薬害と健康被害救済制度[7]医療保険制度[8]介護保険制度[9]治験[10]承認後の制度(再審査・再評価、副作用等報告)

 国試までには、10項目の既出問題は一通り目を通して理解をしておきましょう。必須、理論、実践のいずれでも出題されています。

 なお、新傾向としては再生医療等製品医療法の医療事故医療安全支援センターはそろそろ出題があっても良い頃だと思います。また、最近よく出題のある個人情報については、2017年5月末に改正法が施行されています。個人識別符号の追加や個人情報取扱事業者の定義変更は確認しておきましょう。

実務

 特に多く出題される次に示す範囲を目安に再確認し、実務で得点を伸ばしましょう。

 [1]計算:散・液剤、消毒薬、カロリー(TEEなど)、NPC/N、mEq、Osm等は必ず既出問題ベースで確認しましょう。

 [2]注射剤・輸液関連:頻出される配合変化では、pH変動や溶剤、輸液バックの素材等様々なので、配合変化の理由まで確認してください。

 また、近年では電解質輸液だけではなく、栄養輸液に関しても出題されているので、各輸液の特徴を確認しましょう。

 [3]医薬品関連:既に出題された用法・用量や相互作用は必ず覚えましょう。また、副作用の初期症状が判別できるか問われています。

 [4]管理:医薬品はどのような方法で管理・廃棄をするのかなどを確認しましょう。



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