わたしの「1日」~業界の先輩に聞く~ 沢井製薬千葉営業所 藤村将也さん

2018年1月1日 (月)

薬学生新聞


医療制度の知識を武器に

藤村将也さん

 2020年に医薬品の数量シェア80%への到達を目指すジェネリック医薬品(GE薬)。“GE80%時代”を支えるMRが沢井製薬の入社4年目になる藤村将也さんだ。GE薬メーカーのMRは、先発品からの切り替えなどで決定権のある薬剤師との接点が増えているが、薬剤師免許を持つ共通点から、薬剤師の気持ちに寄り添う。GE薬メーカーMRとして、自分が何をすべきかを考え、そこで見つけた答えが、医療制度を医療機関や薬局で分かりやすく伝えていく情報提供だ。「薬剤師を取り巻く環境も変化している。自分が薬剤師の先生方を支えていけるようになりたい」と未来を見据えている。

 薬局薬剤師か病院薬剤師――。藤村さんの志望職種に、突如としてMRという選択肢が浮上したのが、大学での長期実務実習の時だった。MRが薬剤師に対して情報提供している姿が新鮮に映った。「患者さん一人ひとりと対面して仕事をする薬剤師を支える仕事がMRだと気づけた瞬間」と振り返る。

藤村さんの1日

 既にGE薬が患者や医療従事者に認知されてきた時代に入っていた。薬学出身者がGE薬メーカーのMRを志すのは珍しい。専門疾患を対象とするスペシャリストMRか、幅広い疾患を対象とするジェネラリストMRの分かれ道で後者を選び、膨大な品目数を扱うGE薬メーカーのMRはうってつけだった。GE薬に対して深い知識はなかったそうだが、薬学知識を生かすことができ、ジェネラリストMRとして成長できるイメージはできた。選んだのは、リーディングカンパニーだった沢井製薬。取り扱い製品数も業界で屈指だった。

 千葉営業所に配属され、薬局や診療所を回る忙しい毎日。多くの人と会い、コミュニケーションを取るのがMRの仕事だ。

 医師や薬剤師との関係構築がやりがいになっている。沢井製薬の扱うGE薬は、多くの病院や薬局で採用され、会社としての知名度は高い。藤村さんは、自分自身が医師や薬剤師と関係性を深めることで採用の決め手となった成功体験こそ、「働く喜び」と表現する。

 時間をかけて、多くのつながりをつくってきた。GE薬メーカーのMRが日々行う情報提供のあり方を、試行錯誤しながら見つけてきた。藤村さんが経験を通じて分かったことは、一つひとつの医薬品に関する情報を伝えるだけでは、医療従事者は満足してもらえないということだ。

 がむしゃらだった入社当時。製品の説明をしても、医師や薬剤師の反応があまり良くない。ふと冷静になって、相手の立場を考えた。「自分だったら、その情報を欲しいと思うだろうか?」。たどり着いた答えはノーだった。

 先発品として長期に使われてきたため、GE薬の特性があるにしても、医師や薬剤師は有効成分に関する知識については持ち合わせている。ただでさえ、使用量が多い先発品には、多くのGE薬メーカーが参入している状況だ。

 そんな時に、「医療制度に関する知識を身につけ、MRとしての武器にする」というアイデアが浮かんだ。藤村さん自身、沢井製薬の社内研修に参加し、積極的に知識を吸収しようとしていた分野だ。これが見事に功を奏した。頻繁に行われる医療制度の改正を分かりやすく説明すると、製品だけの説明をしていた頃とは違って話を聞いてくれ、相手からの反応がきちんと返ってくるようになった。

 有益な情報提供が行えるようになった一方、医療制度の中身を詳細まで把握している医師や薬剤師からは、藤村さんが知らない独自の考え方を聞けるようになり、参考になることが多いという。

 「面談時に医療制度の話を最初にすることで、先生方が日頃考えている問題、関心が高いと思われる分野を引き出せるようになり、コミュニケーションツールとしてとても役立っている」と藤村さん。製品の話を興味を持って聞いてもらえるよう、“プラスアルファで勝負する”という独自スタイルを確立することができた。

車で訪問先へ向かう

車で訪問先へ向かう

 GE薬について、「医療にとって必要」と藤村さんは断言する。以前に比べれば信頼度は上がってきた。しかし、本当にGE薬を安心して選択してもらうという目的地にたどり着くにはまだ途上段階だ。患者のためにGE薬を使うために、安定供給体制や先発品にはない製剤工夫など課題もある。MRとして、安全性情報の収集・伝達業務もその一つで、「スピードを持って対応することを重視している」という。

 慎重に行動を進める性格。ただ、「仮説立てはできても、その後の修正は苦手」と自己分析する。医療制度の話をして、自分の勉強不足を痛感したり、肝心の営業に関する話ができなかったことも。そんなときはカラオケに行き、バンドのボーカルを務めた自慢の喉で大きな声を出し、翌日の活力にする。

 「自分が薬剤師だから理解していただけやすい面もある。インターネットで情報が得られる時代に入っているが、だからこそMRの存在感が発揮されていくはず」。GE薬を患者のために使っていく。GE薬メーカーのMRとして、医療業界に携わる者としてのプライドは今も忘れていない。



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