患者と真摯に向き合い地域医療に貢献 トライアドジャパン(かもめ薬局) 山口友香さん

2018年3月1日 (木)

薬学生新聞

山口友香さん

 多様な患者さまと接することができる薬局で働きたい――。その願いを叶えるため、徳島大学薬学部を卒業後に上京し、トライアドジャパンに就職した山口友香さん。入社4年目の現在は、同社のかもめ薬局相模が丘店(神奈川県座間市)に勤務している。総合病院の処方箋を多く受ける同店舗で、「何よりもまず、患者さまの話をじっくり聞くこと」を心がけ、忙しくも充実した日々を送っている。

 トライアドジャパンは東京西部・神奈川県を中心に26の調剤薬局を展開。薬局事業を中心に、在宅支援事業や治験支援(SMO)事業、医療者向けコンテンツ制作事業など、複数の医療関連事業を手がけている。

 同社の薬局事業にはいくつかの特長がある。[1]大学病院前の高機能薬局から地域密着型薬局、代替医療提案型の薬局など多様な薬局を展開している[2]在宅医療に力を入れており、2025年に向けて1万人の在宅患者を支援できる体制を目指している[3]転居を伴う異動がほとんどなく、住み慣れた街で働ける――などだ。

 山口さんには、多様な患者と関わることで薬剤師としての腕を磨きたいという思いと、地域医療に貢献したいという気持ちがあり、東京や神奈川など首都圏を中心に調剤薬局を展開している会社に絞って就職活動を行った。同社への就職を決めたのは、説明会や薬局見学への参加を通じて、同社の薬局事業に魅力を感じ、ここでなら自分の願いを叶えられると確信したからだ。

 また、同社が薬局だけでなく、在宅支援や治験支援事業に力を入れている点にも惹かれたという。「薬学生時代の実務実習を通じて、薬局の中での業務は一通り経験していましたが、トライアドジャパンでは、薬局業務に加えて、薬剤師として様々な業務に携われるチャンスがあることにも魅力を感じました」と話す。

 入社後は、9ヶ月間に及ぶ新人研修を経験した。「新人研修では、大学病院前の高機能薬局と地域密着型薬局、さらに在宅医療を3カ月ずつローテートしました。本配属までに様々な環境で学べるので自信がついたと思います」と当時を振り返る。

 研修終了後は、かもめ薬局柿生店(神奈川県川崎市)へ配属。同店舗は内科、皮膚科、精神科クリニックの近隣に位置し、1日約200枚の処方箋を応需している。在宅支援も行っており、山口さんは外来業務を担当しつつ、高齢者施設の入居者の方の在宅支援を受け持った。

 1日の処方箋応需枚数が多い店舗であり、また山口さん自身も新人であったことから、配属当初は苦い経験もあったという。「医師の意図が汲めずに、患者さまにお薬の説明をしてしまい、医師から注意を受けたことがありました。私は、添付文書や書籍などから学んだことに基づいて説明をしたのですが、医師は臨床経験に基づいて処方を出しており、そこに違いがありました」と話す。そのときの反省から「臨床が分かる薬剤師になることの必要性を痛感した」と山口さん。しっかりと自身の成長に繋げている。

 昨年の10月からは相模が丘店に所属し、現在は抗がん剤や循環器、消化器など専門性の高い薬も多く取り扱う。山口さんは外来調剤と服薬指導を主に担当しているが、「以前に所属していた店舗と比べて、処方箋の応需枚数は減りましたが、今まであまり経験したことがない疾患の患者さまを担当する機会が多くなり、学ぶことが増えました」と語る。

 患者と接する日々の仕事の中で、「まずは患者さまの話をしっかり聞くように心がけています」と山口さんは言う。患者の話を聞き、考えや思いを汲み取ってから、自分が伝えたいことを話すように努めているそうだ。じっくりと時間をかけて患者と向き合う真摯な姿勢がうかがえる。

充実した休日が仕事の原動力に

 所属する薬局でも、会社自体でも女性薬剤師が多く活躍している。女性の上司や役員もいることから、山口さんは、「自分の将来像をイメージしやすい職場です。気軽に先輩に相談ができて、とても働きやすい職場だと思います」と話す。

 働きやすい環境で、日々の仕事に奮闘している山口さんだが、休日には有名店の食べ歩きをするのが趣味なのだそう。「いろんなお店を巡って美味しいものを食べるのが好きです。気になるお店があれば、デパ地下巡りもします」とのこと。トライアドジャパンは、ライフワークバランス(仕事と生活の調和)を大切にする方針であり、充実した休日を過ごせることが仕事に打ち込む原動力になっているようだ。

 今後の目標は、「DI(医薬品情報管理業務)ができるようになりたい」と山口さん。「現在の所属店舗は専門的な疾患や症例の事も多く学べます。一つひとつの症例を大切にして、気になることは文献を調べるようにするなど経験を重ねてDI担当を目指したいです。皆が患者さまや医師にエビデンスに基づいた情報提供ができるよう、サポートできる薬剤師になりたいです」と語る。

 最後に、薬学生に向けて、「就職活動では、薬局に実際に足を運び、自らの目で見て判断することが大切です。実務実習や会社説明だけで決めてしまわず、必ず薬局を見るようにしたほうがいい」とアドバイスする。そうすることで、実際にそこで仕事をする自分をイメージできるからだ。そして、「最初に就職した職場が最も学べて、成長できる場所になると思います。自分にとってベストだと思える理想の会社に就職できるよう、一生懸命に考えて、思い切り悩みながら答えを出してほしいです」とメッセージを送る。



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