多岐にわたる業務にやりがい
全国に372店舗を展開するファーマみらいの薬局「みどり調剤薬局病院前店」(千葉県習志野市)に勤務する入社4年目の勝田彩良さんは、調剤業務、医薬品の在庫管理と発注、在宅医療、新人教育などを担当している。総合病院の正面に位置する薬局には1日を通じて訪れる患者が絶えない忙しい毎日だが、在庫管理や新人教育を任されることなどに責任の重さとやりがいを感じる日々を送っている。
勝田さんは、城西国際大学薬学部医療薬学科を卒業後、2014年にファーマみらいに入社。現在までみどり調剤薬局病院前店に勤務している。
毎朝8時半に出勤後、開店準備、朝礼を経て9時から業務を始める。14~15時まで調剤業務、在宅医療、医薬品の在庫管理・発注業務などを行う。午後は在庫管理と発注業務を中心に進め、18時に業務を終える。
薬局は、千葉県済生会習志野病院の正面に位置し、9人のスタッフが1日140~180枚ほどの処方箋を応需し、月間では約3000枚に達する。1日を通して患者が絶えないことから、在宅医療に取りかかる際にはスタッフのスケジュール調整が欠かせない。大病院の門前薬局のため、抗癌剤や希少疾病医薬品など高額な医薬品も多く、取り扱う医薬品の購入金額は毎月約5000万円に上る。使用期限や在庫変動の確認などが大変な一方で、やりがいも感じているという。
既に新人教育も行う立場になった。教えるときにはマンツーマンで行い、どうすれば積極的に仕事に取り組んでもらえるか、自ら考え、行動できるようサポートできるかなどを模索している。「一人ひとり考え方が異なるので、私も一人ひとり、それぞれの個性を尊重してフォローするように心がけています。まだ私自身も発展途上ですが、新人を成長させられる先輩になりたいです」と目標を掲げる。
千葉市主催の健康に関する市民健康づくり大会にファーマみらいも毎年参加し、健康体操、認知症予防を目的としたプログラム、管理栄養士が相談を受け付けるブースなどを出展している。勝田さんは、入社1年目から店舗で開催されている健康フェアで企画などを立案し、千葉市のイベントでも企画書の提出、のぼりやチラシの作成も経験した。しかし、学生時代は何かを立案して動かす経験をしたことがなく、先輩のサポートで成功できたという。医薬品の在庫管理を引き継いだ際には、適正な在庫の見極めに苦戦したが、前任のスタッフに丁寧に教えてもらったことで、現在の業務の基礎となっている。「会社全体で頑張っている印象を受けました。私自身もより良いものにしたいという向上心が湧きます」と良好なチームワークを強調する。
また、女性薬剤師の視点から、「婦人科系の疾病などを患っている方には気軽に相談しやすい雰囲気作りを心がけています」と強みを語る。
学生時代は、薬剤師を「ゆったりした職業」と考えていたが、実際には時間をかけて服薬指導を行ったり、新しい考えを取り入れて時代のニーズに合わせて進化し続けていることを学んだ。コンプライアンスが不良な人や、病気や薬について不安のある人など来局する患者は様々だ。だからこそ、患者の声に耳を傾け、薬剤師として少しでも患者へ寄り添うことができるよう病態の勉強も欠かさない。
薬剤師5年目を控え、責任の重さを実感する日々が続くが、休日のスポーツ観戦、学生時代の友人や店舗の先輩とテーマパークに行くことでリフレッシュしている。特に、大学時代の友人から自分とは異なる環境の話を聞くことが刺激になっている。
動物薬の開発に携わりたいという思いから薬学部に入学したが、動物実験に抵抗を感じ、5年生まで進路選択に悩んでいた。しかし、薬局・病院実習で患者と触れ合い、薬剤師が不安の解消に貢献していると感じたことが転機となり、薬局での勤務を志望した。
そんな勝田さんの就職活動は、「今後も、会社と共に成長・発展ができることを重視し、就職活動を行いました」と確固たる方向性を持っていた。その中でも、自分がやりたい仕事があれば最大限サポートするというファーマみらいの姿勢に魅力を感じた。そして、店舗見学の時にスタッフが生き生きと働いていた姿が印象に残ったこと、調剤業務以外にも挑戦できることが決め手となった。実際に入社してから、健康フェアだけでなく、治験業務やリクルーター活動も行い、業務は多岐にわたっている。
薬学生に向けては、「自分がやりたいこと、譲れないものを明確にして会社を選ぶことが大事だと思います。実際に店舗に見学に行き、そこで働くスタッフから話をうかがったり、店舗の雰囲気や働いている姿を見て、体感していただくことをおすすめします」とアドバイスを送る。