CROはどのような学生を求めているか‐各社の採用担当者が本音の座談会

2018年3月1日 (木)

薬学生新聞

各社の採用担当者

各社の採用担当者

 製薬会社の医薬品開発や市販後の安全性調査を支援するCRO(コントラクト・リサーチ・オーガニゼーション)。製薬企業が医薬品開発の効率化を目的に、臨床開発業務をCROにアウトソースする流れが加速しており、業界全体が現在進行形で成長している。CRO各社は新卒の優秀な人材を獲得しようと、採用活動に奔走しているところだ。今回、日本CRO協会(JCROA)の加盟企業に所属する人事の採用担当者6人が集まり、新卒薬学生の採用活動に当たって、本音が満載の座談会を繰り広げてくれた。

他力本願は駄目‐自分で解決する能力を

 開口一番、求める人材として、「嵐を過ぎ去るのを待つのではなく、自分で物事を解決できる人が欲しい」という意見が飛び出し、他の5人が一様に賛同する。何か未知の問題が起きたときにも受け身ではなく積極的に動ける人材、それは入社1年目であっても例外ではない。実際に職場で自分では分からない問題に直面し、その時たまたま直属の先輩が席を外していた場合、そのまま放置するのか、別のプロジェクトの先輩に助けを求めて何とか解決策を探ろうとするのか、「そこが”できる社員”かどうかの分かれ道。いずれチームを引っ張っていかなければならないので、他力本願では駄目ですね」と厳しい意見だ。

 CRO業界の市場規模は、現在右肩上がりだ。同協会加盟26社の2016年総売上高は前年比で二桁成長を達成した。製薬会社による臨床開発業務のアウトソーシングが進んでいることから、受託する側のCROにノウハウが蓄積し、CROの活動範囲も拡大している。様々な職種があり、臨床試験が適切に行われているかをモニタリングする「臨床開発モニター(CRA)」、CRAがモニタリングで得たデータを整理する「データマネジメント(DM)」、整理されたデータを解析する「統計解析」など、求められる能力もそれぞれ多種多様だ。

 職種の多様性に加え、「これからは職種の垣根がなくなっていく」という見方も6人の共通意見だ。例えば、リスク・ベースド・モニタリング(RBM)と呼ばれる新たなモニタリング手法が日本でさらに普及すると、CRAがモニタリングのために治験実施機関へ訪問する回数が減り、オフィスで集められたデータを検討する作業が多くなる。CRAの仕事がDMに近づく形となる。「弊社では総合職で採用していますので、どの職種の部署に配属されても活躍できる人材を求めています」、「『私はCRAしかやりたくありません』という人はいらないです」という声もあった。

 グローバル人材も欠かせない。医薬品の世界同時開発の流れが進んでおり、国内で実施している臨床試験であっても、国際共同治験の日本パートであることも多い。「外資系のクライアントと英語で電話会議することもあります。英語でプレゼンテーションできる人は強いと思います」と語学力はやはり重要とのこと。外国人も就職活動のライバルであり、「日本に興味のある韓国人で、日本語も英語もペラペラな学生なども面接に来ます」と強調する。その一方で、グローバルと国内で治験環境が異なっているのも現状であり、海外に目を向けつつ、国内治験という閉ざされた空間でのコミュニケーション能力も必要となるようだ。

面接は話の展開力や将来像を見ている

 実際の面接で、採用担当者は何を見ているのか。「新卒採用の場合、仕事の実績は当然ないので、人物像を見ることになります」と一様に口を揃えるが、どのように学生の人物像を探り出すかは、各社の文化や風土、採用の戦略によって異なる。

 学生は、多くの面接で自分が今までどういう人生を送ってきたかというエピソードを語ることになる。「話の展開力で判断します。事前準備にかかっていると思います。CRAにとっても医療機関に訪問する前の事前準備が重要になってきますので」と語る。

 エピソードは、各社で独自に深掘りしていくのだが、「学園祭の実行委員、サークルの副リーダー、渉外担当など、大学のエピソードでは似たようなことを言う学生が多いですね。特に副リーダーがやたら多い」と最近は没個性な話題ばかりとのこと。「副リーダーが何人いるのか聞きますよね」「私なら、組織図を書くようにいいます」と意見が飛び交う中、「幼少期まで遡ってエピソードを語ってもらいます」という声もあり、想定していない質問であっても、瞬時に答えられる柔軟性も必要不可欠となる。

 さらに学生は、これまで歩んできたエピソードを土台に、思い描く将来像を面接で伝える必要がある。「とりあえず有名な製薬会社にエントリーして、滑り止めでCROの面接に来る学生も多いですが、これから自分でお金を稼いで生きていく上で、その最初のキャリアとなるCROで何をしたいのか、マインドセットを深掘りしていきます」と語ってくれた。

 面接以外でも注意が必要だ。意外と落とし穴なのは、インターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。就活生が利用するネット掲示板の書き込みについても、「人事は意外と見ていますよ」と警鐘を鳴らす。「SNS上の”つぶやき”も、投稿のタイミングで特定できます。ネットリテラシーの無い人は、入社後もトラブルを起こすので、間違いなく落とします」と強く断言した。



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