【第6回薬学生のための合同企業・大学交流会】6年制薬剤師についてのアンケート調査結果を報告

2013年11月1日 (金)

薬学生新聞

第6回「薬学生のための合同企業・大学交流会」

第6回「薬学生のための合同企業・大学交流会」

 ドラッグストア企業と大学が集まっての第6回「薬学生のための合同企業・大学交流会」が、このほど都内で開催された。今回の交流会では、幹事企業(ウエルシアホールディングス、ココカラファインヘルスケア、サンドラッグ、CFSコーポレーション、マツモトキヨシの5社)の薬局長(OTC管理薬剤師を含む)438人に対して実施した「6年制薬剤師についてのアンケート調査」結果が報告された。それによると、▽薬局長は6年制薬剤師についての傾向、特性を理解した上で個々に育成している▽薬剤師がより活躍できるためには、薬剤師自身、企業側の変化が重要であると感じている――ことなどが明らかになった。

意識の高さに違い

 今回の調査は、現場で働く薬剤師の感じている6年制卒薬剤師に対しての印象、状況についての情報共有を図るために実施された。主な調査結果を見ると、6年制卒薬剤師の勤務について、「2012年度卒薬剤師が勤務している」との回答は42.7%、「13年度卒薬剤師が勤務している」は53.7%だった。

 6年制卒薬剤師と12年以前入社の4年制卒薬剤師との違いに関しては、58.1%が「違いを感じる」と答えた。また、6年制卒薬剤師は5カ月間の実務実習を経験しているが、その経験以外でも違いを感じるかを質問したところ、52.1%が「違いを感じる」と答えた。

 違いを感じる理由や具体的な違いに関して見ると、12年以前入社の4年制卒薬剤師との違いを感じ、かつ5カ月間の実務実習以外でも違いを感じている人のうち、ポジティブな理由としては、「自分を医療の人間と自覚している。患者のことを第一に考えられる。また、薬局の中でどう動くべきか早く察知できている。調剤以外の業務に対する意識も大人である」「意識が高い(薬剤師としてのプライドなどをしっかり持っている)。向上心も4年制の時に比べ高いと思う。薬剤師になりたいと思った動機が以前に比べ思い入れを持っている人が多い」「6年制は医療現場を体験してから入社しているので、医療従事者としてのモチベーションが非常に高い。医薬品の知識も以前より高くなっており、自己学習の努力をしている」「4年制卒より医療人としての意識や知識欲が高い。専門知識に関する質問が多い。知識的なものだけでなく、意欲的なものも違うように感じる」などが挙がった。

 一方、ネガティブ理由として挙がったのは、「教科書通り、習ってきた内容でマニュアル化された受け応えで患者対応をしているように感じる。コミュニケーション能力も低いと感じることがあり、患者との会話が成り立たず怒って帰る患者もおり、難しい印象を受ける」「とても自主性に欠け、独自で効率化を提案したり忙しい時にマイペースなところを改善したりすることがない。ゆとり世代のせいか上昇意欲があまり感じられず、褒める、注意するなどこちらのアクションに対しての反応が薄い」「5カ月の実務実習では配属された薬局で内容に差異があり、4年制卒の方が2年早く卒業し、その分多くを学べたのではないかと感じた」「4年制卒の方が教わるという意欲があり、6年制卒は自分は分かっていると思っているが、結局できない。自分から教えてもらおうという積極性がない。4年制卒の方が知識、態度すべてにおいて上回っている」など。

知識・業務の理解度にも差‐現場で経験重ね一人前の薬剤師へ

 また、12年以前入社の4年制卒薬剤師との違いを感じるが、5カ月間の実務実習の経験以外では違いを感じていない人では、ポジティブ理由として「調剤業務の流れに対する理解度が高く、仕事の飲み込みが早い。投薬、接客に慣れている。過度の緊張がない。また薬識、病識、ガイドラインなどの理解度は高い」「4年制卒の薬剤師の場合、一般名と製品名がなかなか一致しなかった。6年制卒は実務実習のおかげで、十分ではないが、製品名を理解できている」などを挙げた。

 ネガティブ理由では「調剤業務はスムーズに行っているが、OTC薬の知識はまだまだ」「実務経験によって少しは早く実務に入りやすくなっているが、社会人としての経験としてあまり差が感じられない。やはり、薬剤師は経験が重要。現場で早く経験を積んでもらいたい」などを挙げた。

 6年制卒の薬剤師において、12年卒と13年卒の違いについては、「違いを感じる」は6.0%、「違いを感じない」は24.4%で、半数近い47.0%は「分からない」と答えた。

 理由を見ると、違いを感じている人では「12年卒の薬剤師は6年制施行初年度入学、ストレートで進学、卒業している人しかいないためか、知識、調剤スキル、コミュニケーション能力において、13年卒より優秀な人が多いように感じる」「個人差だろうが、13年卒の方がメンタル面・自主性・判断力・社会人としての意識が劣る。ただし女性はできていると感じる」などが挙がった。

 違いを感じていない人は、「個人差が大きい。個人の適応能力・環境の差があるので、12年卒、13年卒の差はないのではないか」「卒業年度より大学間での違いはある」などを挙げた。

 「分からない」と答えた人では、「個人差が大きいように感じる」「違いを感じないわけではないが、卒業年度の違いというよりは、各個人の性格の差だと思う。各卒業年度ごとの共通の違いは感じない」といったような意見が見られた。



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