前臨床試験の自社管理体制も
ペプチドリームのエグゼクティブ・ヴァイスプレジデントの金城聖文氏は、24日に都内で開催した決算説明会で、今年度からスタートする中期の新成長戦略を発表し、自社創製した開発パイプラインを独自で前臨床試験まで進める体制や、次世代癌免疫治療や再生医療といった新分野への戦略的投資を行うことを明らかにした。特殊ペプチド医薬の創薬技術「PDPS」を出発点に標的に対する数多くのヒットペプチドを創出し、ペプチドから低分子化やペプチド薬物複合体(PDC)の技術基盤を確立したことから、事業領域を広げる。金城氏は、「創薬カンパニーからヘルスケアカンパニーを目指す」と語った。
同社の2018年6月期決算は、売上高が31%増の64億円、営業利益が17%増の29億円、当期純利益が24%増の23億円と過去最高を更新した。この1年間における研究開発のプログラム数も昨年6月末時点の64件から、今年6月末時点では84件まで拡大している。金城氏は、「件数が増加しているだけではなく、バイエルとの契約のように、診断薬や農薬までを含む包括的な契約もあり、一つひとつの契約内容が大きくなっている」と話す。