【医学アカデミー薬学ゼミナール】臨床につなげる基礎!~将来の薬剤師国家試験へ向けた対策~

2018年9月1日 (土)

薬学生新聞

物理科目責任者 茂木 雄輔、化学科目責任者 林 美樹子、生物科目責任者 小林 あつみ、衛生科目責任者 菊池 聡

 近年の薬剤師国家試験(以下、国試)では、基礎科目(物理、化学、生物)や衛生についても、臨床現場を意識した問題が多く出題されています。今後は、科目の内容がどのように臨床現場で応用されているのかを見据えて勉強していく必要があります。以下に物理、化学、生物、衛生の特徴や出題傾向、出題例を記載します。学習の一助になれば幸いです。

物理

■領域における特徴、出題傾向

 臨床現場で実際に使用している臨床機器の原理に関する出題や、医薬品の物性に関する出題など、臨床を意識した出題が多いです。イラストやグラフなどの設定から、その場で考えて解答する「考える力」を必要とする問題が出題されています。

■第103回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 実践問題では、臨床現場で用いられる分析装置の原理に関して多く出題されています。

■領域における学習方法のアドバイス

 実践問題で出題の多い範囲は、反応速度論、束一性、分子間力、画像診断、分光分析です。単なる暗記だけではなく、内容を理解しながら学習を進めていきましょう。

化学

■領域における特徴、出題傾向

 必須~実践問題を通し、「暗記」ではなく、「構造を見て判断する問題」が多く見られます。基本的な知識の習得と共に、「知識を構造に結びつける力」を養いましょう。既出問題を解く際に、「どの知識が必要か」「何が分かれば解けるのか」を意識してください。

■第103回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 本設問は、生成物の正誤ではなく、反応の収率が低い要因を考え、適切な改善方法を考える問題です。暗記ではなく、化学の理解が問われています。

■領域における学習方法のアドバイス

 化学は「知識の積み重ね」が重要です。基本事項をしっかり理解し、化学反応や医薬品化学について、与えられた構造から判断できるようにしましょう。

生物

■領域における特徴、出題傾向

 近年、図表や実験操作などから情報を読み取り、判断することで答えを導き出す、「考える問題」「応用力を必要とする問題」の出題が増え、さらには「科目をまたいだ問題」の出題も見られています。

■第103回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 「日焼け」という身近な症状が「日焼け止め」の問題(実務)と共に出題されました。紫外線曝露による炎症から日焼けが起こる流れ、各反応の特徴を整理しましょう。

■領域における学習方法のアドバイス

 組織の構造や糖質・脂質など生体成分の構造、代謝など、一つひとつの知識を早い時期に習得することがカギです。そこから、構造とその代謝を関連づけ、生体内で何が起こっているのかをイメージできるようにしましょう。また、他科目と関連する範囲は知識をつなげ、国試に向けてステップアップしていきましょう。

衛生

■領域における特徴、出題傾向

 薬剤師になり薬局やドラッグストアで働いていると、「お腹が痛いから薬をください」と来局される方がいます。原因は様々ですが、その一つとして食中毒が考えられます。もしも、食中毒であれば患者情報から状況を推測しなければなりません。その時に、発生件数が多い食中毒や、注目されている食中毒を意識していると的確な対応ができます。

■第103回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 近年、発生件数が多い食中毒や、死亡する可能性がある食中毒が出題されています。

■領域における学習方法のアドバイス

 食中毒は時事問題の出題が見られるため、日頃から新聞やニュースに目を通しておくことが大切です。気になった記事があったら少しだけ時間を取って調べてみましょう。



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