【国試予備校の現場から】失敗や偶然を幸運に

2019年5月1日 (水)

薬学生新聞

メディセレスクール社長
児島 惠美子

児島惠美子氏

 こんにちは。メディセレのしゃっちょう、児島惠美子です。3月の日本薬学会年会でノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生の講演がありました。

 本庶先生はあの有名な抗がん剤オプジーボの産みの親。以前、お食事をご一緒させていただいた森喜朗元首相もオプジーボで命拾いした一人です。自分が亡くなった時の準備を全て済ませていたほどでしたが、薬のお陰で回復し、「本庶先生にはノーベル賞を受賞して欲しいよ」とスペアリブにかぶりつきながら話してくださいました。そんな経緯もあり、本庶先生の講演はとても楽しみにしていました。

 会場は超満員。開口一番「僕のセレンディピティの話をします」と本庶先生は宣言しました。セレンディピティとは、偶然をきっかけに幸運をつかみ取ることです。先生は土星を見たことから天文学者になろうと思い、野口英世さんの自伝に感動して医学に興味が移ったということでした。そしてノーベル賞まで受賞。これからは本庶先生の自伝に感動して、研究や医療を志す人が出てくるのだろうなと思いました。

 そもそも当社の社名であるメディセレは、メディカルとセレンディピティを合わせて命名しました。人生は様々な出来事に影響を受け、時に思わぬ方向に進みます。しかしそれもセレンディピティ。私も薬剤師国家試験に落ちてしまったことが、現在に至る起点になっています。

 国試不合格を機に、結果の出る勉強法を考え、当時はなかったゴロ合わせをたくさん創り、国家試験対策講義を始めました。国試はなんとかなる試験ではないことを先に知ってもらおうと思ってSNSも始めましたし、国試の不合格でメンタルが持たなくなることも痛感したため、自分自身が心理カウンセラーとなってメンタルケアを始めました。落ちたら居場所がなくなってしまったので居場所を作りたいと考え、メディセレを起業しました。これらは全てセレンディピティだと思っています。

 失敗や偶然を幸運のきっかけに変えて、薬剤師の知識を武器に、他人にプラスの影響を与えられる人に共になっていきましょう。



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