【日本薬学生連盟アンケート】セルフメディケーションやかかりつけ薬局って知っていますか?

2019年5月1日 (水)

薬学生新聞


はじめに

 今回は、セルフメディケーションやかかりつけ薬局に注目してみます。日本では、国民の健康寿命を延ばすことを目的として、薬局を使ったセルフメディケーションが推進されています。また、薬局を地域に密着させることを目的とした、「かかりつけ薬局」の取り組みも注目されています。しかし、このような取り組みの認知度は必ずしも高くない現状であると考えています。そこで、セルフメディケーションやかかりつけ薬局について専門的に学習している薬学生を対象に、薬局・ドラッグストアの利用実態について調査しました。アンケートはインターネットから87人から回答を得ました。(日本薬学生連盟2019年度広報統括理事=明治薬科大学2年・小倉由未佳、金城学院大学2年・丹澤那奈、岐阜薬科大学2年・岸川鈴音、東邦大学5年・泉水まどか、東邦大学5年・川口悠里江)

薬局・ドラッグストアに行く目的は?

 まず、普段どのような目的で薬局やドラッグストアを利用するのか質問しました。

 薬局については、「薬局=保険調剤」という認識が強いのか、保険調剤を薬局の利用目的とすると回答した人は70人という結果になりました。一方、薬や健康に関して相談すると回答した人は3人、OTC医薬品や日用品などを購入する回答した人は23人であり、薬や健康に関する相談を目的とする人よりも、OTC医薬品や日用品などの購入を目的とする人が多い結果になりました。

 一方ドラッグストアは、薬局と比較して衛生商品や雑貨、食品を購入する目的で利用している人が多く、保険調剤または薬や健康に関する相談で利用する人は数人にとどまっていました。今後、ドラッグストア内に保険調剤を設備するところが増えていくと考えられるので、ドラッグストアでの調剤を利用する人も増えていくことが予想されます。

図:薬局・ドラッグストアで薬や健康に関する相談をしたことがあるか

 また、薬局・ドラッグストアで薬や健康に関する相談をしたことがあるかを聞いたところ、「ある」が27人、「ない」が60人という結果になりました。薬剤師への相談経験がない人が約7割もいることから、私たち薬学生が、これからの薬剤師のあるべき姿について、もう少し考える必要があると感じました。薬剤師の存在意義が、単に薬を渡す人というだけでなく、薬に付加価値を与える人となれるように、薬剤師が自ら、情報提供を積極的に行う必要があると考えました。また、私たちがそのような活動を行っていくためには、勉学に積極的に励んでいくことが大切であると感じました。

薬局・ドラッグストアでどこを見る?

 さて、薬学生は薬局やドラッグストアを利用する際、店舗のどのようなところに着目するのでしょうか。今回は、一般利用者でも観察できるポイントとして考えられるものをいくつか挙げ、その中からあてはまるものを選択してもらいました。

 最も多くの学生が着目すると答えたのは、店舗の内装・清潔感です。薬局やドラッグストアは医薬品を取り扱い、患者さんを迎える場であることから、衛生に配慮したきれいな空間であることが重要視されていると考えられます。

 次に回答者が多かったのは、薬剤師の動きです。薬剤師がどのように調剤しているのか、またどのように患者さんの不安に応えているのかなど、薬学生として興味が尽きない点なのではないでしょうか。

 3位以降は掲示物、調剤室内、外観と続きました。いずれの選択肢も25%以上の学生が選んでおり、薬局やドラッグストアの実際の店舗に対する関心の高さがうかがえました。

図:薬局やドラッグストアで観察するところ

薬局・ドラッグストアに求めること

 最後に、薬学生として薬局やドラッグストアに期待することを聞きました。

 回答として最も多かったのは、現場の薬剤師の職能に関する要望です。中でも、患者さんと薬剤師の関係性の強化、事務的な服薬指導の改善などが多く挙げられ、薬を調剤する対物業務から患者さん一人ひとりの健康コンサルティングを行う対人業務へと職能が変化していることに対し、薬学生がしっかりと考え、現状に課題意識を感じていることがわかりました。

 また、ドラッグストアに関しては、OTC医薬品の販売を促進することへの疑問や、OTC医薬品を選ぶ患者さんへの声かけ・相談を今以上に望む声も多く挙がりました。

 薬学生の視点から薬局・ドラッグストアに求めるものは、改善が可能なことばかりです。薬剤師の職能に対し真剣に考え、自分の意見を持っている薬学生が多くいるということがわかり、業界の将来は明るいと感じました。

最後に

 薬学生の薬局・ドラッグストア利用について調べたところ、薬局やドラッグストアの現状や薬剤師の対応に関する問題意識を持っている現状がうかがえました。また、一般利用者としての視点から薬局やドラッグストアを見ることで、薬剤師に期待されていることを考えるきっかけになるのではないかと考えました。

 将来どのような進路を選択するにせよ、それぞれの現場の現状を観察し、その場でどのようなことができるかを考えていくことが、学生である今だからこそできることなのではないでしょうか。



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