【医学アカデミー薬学ゼミナール】臨床につなげる基礎!~将来の薬剤師国家試験へ向けた対策~

2019年9月1日 (日)

薬学生新聞

物理科目責任者 茂木 雄輔、化学科目責任者 林 美樹子、生物科目責任者 小林 あつみ、衛生科目責任者 菊池 聡

 近年の薬剤師国家試験(以下、国試)では、臨床系の科目のみならず、基礎科目(物理、化学、生物)や衛生についても、臨床現場を意識した問題が多く出題されています。今後は、基礎的な知識を修得するだけでなく、“臨床現場でどう応用されているか”ということも意識して学修を進めていただきたいです。今回はフルカラーでより見やすくなって発刊される国試参考書(新青本)の活用例も含めて、学修のポイントをお伝えします。

物理

■領域における特徴、出題傾向

 臨床現場で実際に使用している臨床機器の原理に関する出題や、医薬品の物性に関する出題など、臨床を意識した出題が多いです。臨床で実際に使用する臨床検査機器の原理など興味を持って学修していきましょう。

■第104回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 実践問題では、臨床現場で用いられる分析法の原理・装置に関して多く出題されています。

■領域における学修方法のアドバイス

 実践問題で出題の多い範囲は、反応速度論画像診断法分光分析センサー・ドライケミストリーです。単なる暗記だけではなく、内容を理解しながら学修を進めていきましょう。新青本では、画像診断法や臨床診断法などについて、イメージしやすいようにカラー化して掲載しています。

■新青本掲載:代表的なドライケミストリー

●尿検査試験紙

化学

■領域における特徴、出題傾向

 必須・理論・実践問題を通して「暗記」ではなく、「構造をみて判断」する問題が多く見られます。基本的な知識の修得と共に、「知識を構造に結びつける力」を養いましょう。既出問題を解く際に、「どの知識が必要か」「何が分かれば解けるのか」を意識してください。

■第104回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 本設問は、漢方薬A(芍薬甘草湯)および症状、検査値から副作用を読み取り、原因となる化合物(グリチルリチン酸)の「構造」を選ぶ問題です。化合物の分類の知識も必要とします。

■領域における学修方法のアドバイス

 有機化学は「知識の積み重ね」が重要です。基本事項をしっかり理解し、化学反応や医薬品化学について、与えられた構造から判断できるようにしましょう。また。生薬は代表的な生薬について暗記しましょう。新青本では、カラーで示されているので印象づけにぜひ活用してください。

■新青本掲載:生薬

●同属植物の違い

生物

■領域における特徴、出題傾向

 図表や実験操作などから情報を読み取り、判断することで答えを導き出す、「考える問題」「応用力を必要とする問題」の出題が多く見られます。

■第104回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 高齢者で起こりうる「嚥下能力低下」などをテーマにした問題です。正常な嚥下と誤嚥の過程の違いについて咽頭周辺の動きと共に確認しましょう。

■領域における学修方法のアドバイス

 身体の各器官・組織の構造や機能、生体成分(脂質、糖質など)の構造や代謝など、他科目に関連する知識を早期に修得することが大切です。知識の土台を固めることで、加齢や疾患などによってどのような変化が起こるのかイメージできるようにしましょう。新青本でもカラーになった組織図で学修しやすくなっています。

■新青本掲載:骨格・筋肉系組織

●心筋の収縮機構

衛生

■領域における特徴、出題傾向

 「法律の改正点や公衆衛生のトピックス」が出題されることが多いです。現在の日本では、乱用薬物の分野において、大麻事犯による検挙者数が急増しています。これを踏まえて104回国試では大麻の実践問題が出題されています。

■第104回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 本設問は、乱用薬物の分野であり、分析法を確認することが重要です。分析にあたって、特に尿中の化学型(未変化体や代謝物)や分析手法が重要です。

■領域における学修方法のアドバイス

 乱用薬物の簡易検査として、トライエージDOAがあり、新青本でも分析キットをカラーの図と一緒に確認してイメージすることができます。

■新青本掲載:迅速分析キット

●トライエージDOA



HOME > 薬学生新聞 > 【医学アカデミー薬学ゼミナール】臨床につなげる基礎!~将来の薬剤師国家試験へ向けた対策~

‐AD‐
薬学生新聞 新着記事
検索
カテゴリー別 全記事一覧
年月別 全記事一覧
新着記事
お知らせ
アカウント・RSS
RSSRSS