日本医薬品卸売業連合会が「来年度薬価改定と流通改革第三ラウンド」をテーマにセミナーを開催した。冒頭、鈴木賢会長があいさつし、「医療用医薬品の流通は大変重要な時期に差しかかっている。来年度以降は現在の流れを定着・徹底することが重要な課題。次回の薬価改定後の価格交渉では、流通改革を完成する覚悟で取り組まなければならない」と述べた。続いて厚生労働省の城克文経済課長が基調講演し、未妥結・仮納入が薬価調査の信頼性を損ねるとの認識を示した。
鈴木賢氏は医療用医薬品流通の現状について、「全品総価取引は大きく後退し、単品単価取引が主流になったが、商慣習は変わりつつあり、今までと違った問題も出ている」と説明。製薬業界が求めている新薬創出等加算の恒久化や保険医療上必要な医薬品の新たな薬価算定方式の導入に言及し、「これらの制度は薬価と市場価格の乖離率に着目して設計されているので、単品単価取引の徹底が必要で、流通改革といわば表裏一体の関係にある。メーカーには価値に見合った仕切価の設定など単品単価取引を推進するための環境整備に一層の協力をお願いしたい」と語った。