ニュースダイジェスト

2020年5月1日 (金)

薬学生新聞

【厚労省】初診からオンライン診療可能‐新型コロナ拡大で特例措置

 厚生労働省は、患者が医療機関で新型コロナウイルスに感染する事態を避けるため、初診からインターネットや電話を利用したオンライン診療を可能とする特例措置を開始した。期間を「感染が収束するまで」に限定し、オンライン診療で起こり得る不利益等を患者に説明すること、なりすまし防止策に取り組むことなどを条件に実施でき、初診料を214点に設定した。ただ、向精神薬、抗癌剤や免疫抑制剤などのハイリスク薬は処方不可とした。3カ月ごとに運用改善を目的とした検証を行う考え。

 医療機関が初診患者にオンライン等で診断、処方を行う場合、可能な限り過去の診療録などで基礎疾患の情報を把握することを求めた。基礎疾患情報が確認できない場合は、処方日数の上限を7日間に設定。ただ、麻薬や向精神薬、抗癌剤や免疫抑制剤などのハイリスク薬は処方できない。

 初診からオンライン診療を行う条件として、オンライン診療が適していない疾患や発生し得る不利益などを患者に説明すること、対面診療が必要な場合は医療機関で速やかに対面診療に移行することなどを課している。

 さらに、患者のなりすまし防止や虚偽申告による処方を防ぐ観点から、患者は保険証、医師は顔写真付きの身分証明書で本人確認を互いに行い、虚偽申告が疑われる事例については、都道府県に報告することなども診療実施の条件とした。

 患者がオンライン服薬指導を希望する場合は、処方箋の備考欄に「0410対応」と記載し、薬局にファクシミリ等で処方箋情報を送付し、処方箋原本も送る。

 薬局は、ファクシミリ等で送付された処方箋内容に従って調剤することとした。

 オンライン診療の初診料は214点で、対面の初診料288点よりも低く設定した。再診料は73点とし、処方料42点、処方箋料68点とした。

 一方、薬局がオンライン服薬指導を行う場合、患者のかかりつけ薬局・薬剤師が持つ服薬指導の情報や医師の診療情報などを得た上で実施可能とした。ただ、注射薬や吸入薬など服用に手技が必要な薬剤については、薬剤師がオンライン指導できると判断した場合に限定して実施可能とした。

 なりすまし防止のため取り組むべき対応策はオンライン診療と同様とし、調剤した薬剤は、書留郵便など確実に患者の手に届き、薬剤の品質が保持できる方法で送る。薬局は、薬剤が患者に渡ったことを電話等で確認することとした。

 オンライン服薬指導を行った場合も、調剤技術料、薬剤料、特定保険医療材料料、薬剤服用歴管理指導料を算定することができる。

 患者の利便性を考慮し、オンライン診療・服薬指導に対応する医療機関のリストを各都道府県が作成した上で、厚労省のホームページで公開する。

【富士フイルム富山化学】アビガン国内第III相開始‐新型コロナ対象、6月末終了目指す

 富士フイルム富山化学は、新型コロナウイルス感染症を対象に抗インフルエンザ治療薬「アビガン」(一般名:ファビピラビル)の国内第III相試験を開始した。目標症例数は100例で、6月末に試験終了を目指す。同剤の有効性・安全性が確認された場合、承認申請を行う方針だ。

 アビガンは、国内では抗インフルエンザウイルス薬として承認されている薬剤。新型・再興型インフルエンザの発生時に、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効・効果不十分と判断された場合、使用が検討される。

 ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することで増殖を防ぐ特徴を持ち、インフルエンザウイルスと同種のRNAウイルスである新型コロナウイルスに対しても効果が期待されている。国内第III相試験では、新型コロナウイルス感染症患者を対象に、アビガンの有効性・安全性を検討することになる。

 政府が年度内に約200万人分の備蓄を目指している。富士フイルムは政府からアビガンの増産要請を受け、3月上旬から同剤の生産を開始し、7月には約10万人分、9月に約30万人分の生産体制実現に取り組んでいる。

 一方、アビガンが未承認の米国ではボストンのブリガム・アンド・ウイメンズ病院、マサチューセッツ総合病院、マサチューセッツ州立大学メディカルスクールの3施設で第II相試験を実施する。政府では海外での治験拡大に向け、適正使用や日本へのデータ提供などを条件に、イラン、インドネシア、チェコなど20カ国にアビガンを無償提供する方針を示している。

【JACDS】店舗数、売上高20年連続増‐19年度ドラッグストア実態調査

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、2019年度のドラッグストア実態調査結果を公表した。それによると、全国ドラッグストア総店舗数は2万0631店舗、総売上高(推定値)は7兆6859億円となり、店舗数、売上高共に調査開始から20年連続の増加となった。

 実態調査は00年度を初回とし、毎年同じ方法で調査を実施することで、日本のドラッグストア業態の動向と変化を明らかにすることが目的。20回目となる今回の調査期間は昨年10月16日~今年1月31日で、JACDS正会員企業121社中、119社が回答(有効回答率98.3%)。これに加えて、会員外企業280社も調査した。主な調査結果を見ると、総店舗数は2万0631店舗となり、初めて2万店舗を突破した18年度調査より403店舗増加した。規模別店舗数の構成比は、150坪以上300坪未満が43.9%で最も多く、以下、60坪以上150坪未満が19.6%、300坪以上が18.2%、30坪未満が9.9%、30坪以上60坪未満が8.3%と続いた。

 総売上高は7兆6859億円と、前年度から5.7%の増加となった。カテゴリー別の全国売上高は、調剤・ヘルスケアが2兆3970億円(5.3%増)、ビューティケアが1兆5672億円(3.7%増)、ホームケアが1兆6178億円(5.0%増)、フーズ・その他が2兆1039億円(8.1%増)となっている。



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